【自然養鶏的な鶏の飼い方】小さな卵屋さんが教えます。

2020年3月15日

自然養鶏で200羽程度の小さな卵屋さんを営んでおります。そんな卵屋さんが、基本的な鶏の飼い方を解説していきます。初生雛から平飼い育雛するやり方や、 餌の作り方、 成鶏になって卵を産むまでを紹介していきます。

この記事を見てくれている方は、庭先で鶏を飼ってみたいとか、自然養鶏を始めて見たいとか、そういった人たちの参考にしていただければと思って、書いています。商業的な養鶏法でなく、鶏が元気に健康に育つことを第一に考えて、鶏さんを飼育していきます^^

鶏の飼い方。

庭先で鶏を飼うならば、自然卵養鶏法というものを参考にすることをお勧めします。私が行っている鶏の飼い方も、自然卵養鶏法を基本として行っております。

自然卵養鶏の主な特徴。

・平飼い‥‥一坪に10羽までの薄飼い。密飼いは、病気の元。広い空間でノビノビ育ててあげます。

・四方解放鶏舎‥‥太陽の光、風、外の空気の循環。

・粗飼料や発酵飼料‥‥ろん農園では、国産の飼料を自家配合しています。

・緑餌を多給。自然からのビタミン、食物繊維で、健康に。

・添加物、保存料等をいっさい使わない。

・腹八分給餌、八分目産卵 。⇒卵を産ませるだけのマシーンではないので、ゆっくり成長させて、無理させずに自然のペースで、卵を産ませてあげます。

自然卵養鶏法で有名な中島正さんの飼育法を基本としながらも、有機農業研修の経験や自分の考えを交えながら、色々と工夫してやっています。以下、ろん農園での、自然養鶏の育て方を紹介していきます。

平飼い育雛。

産まれたての初生雛から飼育していきます。自然のリズムに合わせて、春の3月くらいから、スタートします。現在飼っている品種は、シェーバブラウン。

産まれてすぐは、保温する必要があるので、電球をつけて保温しながらの飼育となります。

最初の5日間は主に、玄米を与えています。 ろん農園で収穫した無農薬、無化学肥料栽培、天日干しのお米です。これで、同じ釜の飯を食う仲間!!(笑)

一般的な養鶏場では、消化の良いチックフードが与えられますが、自然卵養鶏では、最初から玄米を与え、鶏の消化能力を鍛えさせて、何でもよく食べる鶏に仕上げていきます。生まれてすぐのこの時期に食べるものによって、消化能力は大きく変わるそうです。

その後、徐々に成鶏用の餌に慣らしていきます。

毛がもふもふで、超かわいい。

左のノレンの奥が電球で保温している育雛箱で、右側が運動場。最初はこのように囲ってあげて、日とともに徐々に広くしていきます。

ノレンをくぐって、運動場へGO!!

順調に育っているようなので、運動場の囲いも外してあげて、

こんな感じに。

広々とした鶏舎で、好きな所へ自由に動き、気持ちいい所を探して日向ぼっこしたり。

平飼い育雛で小さなカゴに入れられることなく、地面をアチコチ自由に走り回りながら、スクスク元気に健康に育てています^^

また、ヒナの頃から緑餌(自然の草)なども与え、草もよく食べてくれる鶏に育て上げていきます。

写真は、たまたま畑で採れたトウがたった白菜をあげた所です。

しばらくすると、こんな感じに。

硬い茎の部分以外、綺麗に食べてくれました。

膝乗りヒナ。

手乗りヒナ。

身体も一回り大きくなり、段々と茶色っぽく大人の羽に変わってきました。

5月くらいはこんな感じ。赤いトサカも少し生えかけてきています。

9月くらいになると、もう立派な大人で、卵も産み始めてくれます。

立派なトサカが生えて凛々しい出で立ちに。

鶏の飼い方【餌など】

これが、メインで与えている発酵飼料

原料は、シンプルに小麦、米糠、大豆(水に半日浸してから)、魚粉、牡蠣殻、もみ殻です。

松阪産の小麦を中心に、国産飼料を自家配合しています。無添加、無着色、余計なものは何も入れていません。

これらの飼料に適量、井戸水を加え、よく撹拌してあげたら、数日置いて、発酵させてから与えています。

発酵させた餌は、ホッカホカの30度越え。

この発酵飼料が、美味しい卵の源です。

発酵飼料とは別に、毎日緑餌も与えています。

押切で細かく細断して、食べやすいようにしてあげています。

この緑餌が、鶏さんに必要な食物繊維、ミネラルの補給となり、免疫力を高めたりしてくれます。

また卵の黄身の色をほのかに黄色くさせてくれるのも、この緑餌の影響だと思います。(草が少なくなる冬は、若干黄身の色が薄くなります。)餌に、着色させる色素を与えていないので、卵の黄身の色は市販の卵のように濃くなく、ナチュラルなタンポポ色に。

草が少なくなる冬場には、夏の間に仕込んでおいたコーンサイレージを緑餌の代わりに与えています。コーンサイレージとは、トウモロコシを茎葉ごと、つまり丸ごと細断したものを樽に詰め込み、嫌気発酵させた保存食の事で、簡単にいうと緑餌の漬物のようなものです。

朝、昼とくみ立ての新鮮な井戸水を与えています。

右の箱は、牡蠣殻や小石などが入っていて、いつでも自由に食べられるようになっています。

牡蠣殻は、卵の殻を作るためのカルシウムになったり、小石は砂肝の中に蓄えて、食べたものを砕いたりするために役立ちます。

小石は、DIYで井戸掘りをした時に、地下4~8Mくらいから出てきた砂利をフルイにかけて分けて自給してみました。

ろん農園の卵の卸先。

  • 自然食品・有機米店【かねこや】・・・体に優しい食品を多数扱っています^^ろん農園の卵は、毎週火曜の朝に出荷。松阪駅前の通りにあります。 松阪市新町830
  • 松阪農業公園ベルファーム・・・松阪インター前にある大きな直売所です。松阪市伊勢寺町551-3
  • きっする黒部・・・国道23号線バイパス沿いの大きな直売所です。 松阪市東黒部町天神1 
  • 旬前公房ごん豆・・・権現前にある直売所、お惣菜なんかも売っています。松阪市嬉野権現前町390-6

※夏場(6月~8月辺り)は、産卵数が減少するため、直売所への出荷は、お休みさせていただく事があります。例年通りだと、9月辺りから、若い子たちが卵を産み始めてくれるので、出荷再開といった形になる事が多いです。

値段は、6個入り300円で、販売しています。

鶏の飼い方【小屋の様子】

鶏を入れる羽数は、1坪に10羽の割合を基本にしています。適正な羽数で、疎に飼うことが、病気にならずに健康に育つ秘訣。これ以上羽数が増えると、糞が増えて、鶏が床をかき混ぜて、自然と土に還していってくれる循環に追い付かず、鶏舎が汚染されていくんではないかと思います。

また、各部屋に産卵箱に、止まり木を設置しています。

産卵箱。

産卵箱の中には、綺麗なもみ殻が敷いてあって、こんな感じに。

ほとんどの鶏が産卵箱で卵を産んでくれています。たまに、床に産む子もいますが、そういった卵は自家用にしています。(万が一古い卵が、出るといけないので)

鶏糞堆肥も自給。

鶏さんが床をかき混ぜて、自然と発酵が進んでくれるので、畑の肥料としても扱いやすく、貴重な有機肥料にもなります。

手でも触れるくらいで、臭くもなく、サラサラ。

自然養鶏の床は、匂いもほとんどなく、ふわふわサラサラなので、このように鶏が砂浴びできるほど。日の当たる所を見つけては、よく日光浴&砂浴びをよくしています。

鶏の飼い方に、参考になる本の紹介 。

自然卵養鶏法【中島正】・・・自然養鶏のバイブルといっても過言ではなし。1980年に第一発行されたもので、若干とっつきにくい感じもありますが、自然養鶏について長年研究されてきた成果が沢山詰まっています。少し文章取多めですが、本格的に自然養鶏を始めたいなら、買っておきたい1冊。

自然卵養鶏【渡辺省悟】・・・この本が、簡潔で一番わかりやすく、自然養鶏について解説されています。初めての一冊としては、一番お勧めです。

土着微生物を活かす【趙漢珪】・・・韓国自然農業の考え方ややり方が主に載っている本ですが、自然養鶏の項目もあり、平飼い育雛からの鶏の育て方が詳しく載っています。平飼い育雛の部分でとてもよく参考になりました。