沖縄本島1周ヒッチハイクの旅⑦~米軍基地のお祭りへ連れてもらう

2024年1月31日

米軍基地で食べたハンバーガー。

この旅は今から19年前の2003年、信州大学2年の夏を迎えた頃の話である。当時の歳は、21歳。一人旅。

旅のルートは、フェリーが付いた那覇港から沖縄本島の海岸線を時計回りにぐるっと1周回る計画だ。その際、公共の交通機関は一切使わずに、徒歩とヒッチハイクのみで、おこなうことに決めている。そして、泊まる所は、持参した一人用のテントを使っての野宿を基本とする。

この2つが、この旅の主なルールで、後は何も決めていない行き当たりばったりの旅であり、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険旅である。

さあ、どうなることやら。まあ、何とかなるっしょ~(笑)

今回は、そんな沖縄旅の7日目の記録。当時の旅日記をもとにまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。

2003年7月20日(日)~沖縄の旅7日目~

昨日は、国頭村から名護市の久志辺りまで進み、とあるビーチでテント泊したのであった。

この日は携帯の充電が切れていたので、起床の時間は正確にはわからなかった。太陽の上がり具合から考えると恐らく6時~7時くらいの間だったと思う。

ビーチにあったトイレで、朝の用を済ましにいく。家族連れでキャンプに来てる人たちも見かけたので、挨拶をした。周辺は、ここ数日のヤンバルゾーンに比べ、だいぶ人口も多い感じの町のようだった。

名護市久志付近のビーチ

朝ご飯に、昨晩買っておいたお餅を食べて、出発することにする。

今朝はハイロウズな気分。ハイロウズをスピーカーで流しながら、テントを片付けて身支度をした。

昨夜、『じゅごんの里』というお酒をお土産に買ったので、荷物が少し重かった。少しでも荷物を減らすために、近くでお店を探して実家に送ることにした。着なくなっていたタンクトップや使わなくなった浮き輪なんかも一緒に送った。(タンクトップは日焼けして痛いので、着なくなっていた)

とりあえず、昨日行った闘牛場の辺りまで、国道331号を歩いて進んだ。

名護の市街地へ寄り道

今日は、2つのやろうと思っていることがあった。

  • 1、カメラのメモリーの残が少ないので、市街地へ行きメモリーをゲットする事。
  • 2、3日目に備瀬のフク木並木へ連れて行ってくれたジムニーのお姉さんにお礼を言いに行く事。

この2つが、今日のやっておきたいミッションだ。なので、東海岸線を南下するルートから一旦逸れるが、名護市の中心街の方へ行くことに決めた。

そんなこんなで、329号との分かれ目まで歩いてきた。

ハーリー大会の垂れ幕。

その辺りで、ハーリー大会の大きな垂れ幕を発見した。ハーリー大会とは、沖縄の伝統行事の一つである船漕ぎ競争の事。旅先で聞いた話だと、今日開催かと思っていたが、どうやら聞き間違えていたみたいだった。

329号へと入り、名護市の中心街へと向かう。少し歩いて進んだ辺りから、ヒッチハイクを始めるが、ヤンバルの時のように上手くはいかなかった。なんとなくわかっていたことだが。。。

30台くらいの車が通り越していったところで、作戦を切り替えようと考えた。名護の市街まで後8kmくらいだったので、この際もう歩いていく事にした。

1台目のヒッチハイク

そう思い直し、歩いて進んでいると、1台の車が路肩に止まっていた。も・し・や?と思ったら、やっぱりそうだった。

『乗りますか~?』って声をかけてくれた(涙)『あっ、乗ります!!』と即答。

今回、若いお姉さんだった。聞くところによると、一度通り過ぎたんだけど、電話のついでもあって、止まってくれていたらしい。なんていい人なんだ。

『一人旅をしてるんです』と話すと、『たくましいね~』と言われ少し嬉しかった。『備瀬のフク木並木いい所ですね』なんて、話をしながら進んだ。

メモリーカードを探せ。

そんなこんなで、名護市街地のカメラのキタムラまで、乗せてきてもらった。お姉さんありがとう。

ジュゴンの絵付き(自分で書いた)のプロフィールカードを渡し、アドレスの交換をした。

カメラのキタムラに入るが、当時愛用していた128MBのメモリースティックが品切れで、64MBのしかないそうだ。聞くところによると、15分くらい歩いた所のサンエーって所にもあるらしく、そちらへ向かうことにした。

そこで、無事128MBのメモリースティックを購入できた。携帯を充電する物も欲しかったんだけど、中々売っていなかった。

名護市で見つけた吉野家。

それは、ひとまず置いておき、腹ごしらえする事にして、近くの吉野家へ入った。吉野家で初めて親子丼というのを見て驚いたのだった。早速、その親子丼を注文した。

しかも、ここの吉野家はセルフ形式だった(これも初体験)。

吉野家の親子丼。

他にも店の塗装が青くなってたり、店内の張り紙に『アルバイト募集、自給610円~』ってなってたり、ところ変われば、状況はまったく違ってくるんだな~と色々、新鮮だった。大学時代、吉野家でバイトしてたこともあったので、その違いに驚いた。

メシを食べた後は、携帯の充電をなんとかクリアしたいと動いた。コンビニで充電できるものを探すが見つけられず、近くをうろうろしているとauショップが目に入ってきた。携帯の事なら、携帯ショップで聞いてみよう。

お店に入って、話をすると『充電しますよ~』と言ってくれた。よっしゃー。『ありがとうございます。よろしくお願いします。』充電を待っている間に、近くの宝くじ屋さんへ立ち寄ってみた。

沖縄の旅でミラクル続きだったので、なんか当たる気がした。『買いな~』と天のお声が聞こえたような気がした。最初は10枚買おうと思ったけど、3000円と意外と高かったので、3枚だけ宝くじを買った。

(言わずともわかると思うが、この宝くじは、外れた。。。)

ジムニーのお姉さんを探せ。

そして、もう1つのミッションであるジムニーのお姉さんを探しに行くことにする。

勘を頼りにだが、ここじゃないかな~となんとなく予想していた所があった。ダメもとで、そこを目指してみる。

海沿いのバッティングセンターを越えた辺りに、ダイビング系のお店があったので中に入り、お店のオジサンに尋ねてみた。よっしゃー、ビンゴ!!すげーミラクル!!一発で当たった。

お姉さんはいなかったけど、ここのお店で働いていることは間違いなかった。そこで、僕のプロフィールつきの手紙を残し、そこを去った。ミッション終了♪

名護市の歩道の木陰で休憩する。

コーラを飲んで、木陰でひと休憩。ふぅ。

その後は、auショップに携帯を取りに行き、充電もある程度できた。よし、もうこれでこの町にやり残すこともなし。また、国道329号へ入り、東の海岸線へと向かった。

国道329号線を進む。

しばらくは、歩いて進もうと思った。

329号に入って3km近く歩いた。途中大きな橋があった。329号は山の中の森を進んでいく感じで、結構涼しくていい感じだった。カブトムシとか出てきそうだなと、探しながら進むが見つけられなかった。

ハイロウズの『夏なんだな』を熱唱しながら先へと進んだ。

♪現れたのはカブトムシ様~ どんなもんだいオイラの角は~

夏だな 夏だな 夏なんだな~♪


ヒッチハイク2台目

そんなこんなで、そろそろヒッチハイクを開始しようと思う。今回は開始2台目で、ゲットする事ができた。

やっぱり、険しい道になればなるほど、ヒッチハイクの確率は上がるようだ。

今回は、サングラスをかけたオバちゃんだった。329号と331号の分かれ目まで、乗せてきてもらった。乗せてもらった区間は距離にしたら3kmほどと短かったが、助かった。いつものごとくプロフを渡した。そして、よかったらとオバちゃんの連絡先を聞くが断られたのだった(初)。

東の海岸へと戻ってきたので、また、海岸線をひたすら南下していく。まずは、歩いて、歩いて、歩いて進んだ。

ヒッチハイク3台目~米軍基地のお祭りへ~

そろそろ、ヒッチハイクを始めようかと思い、やり始めて何台目だったであろうか?そんなに数は言っていなかったと思う。

1台のワゴン車が止まってくれた。オジちゃんだった(オジイちゃんに近い)。なんと、このオジちゃんには、この後米軍基地の施設に連れて行ってもらった。

(地図で確認すると、場所的に辺野古基地でないかと思う)

米軍基地へ入っていく。

何でも今日は、パスカードなくても自由に入れるお祭りの日らしい。うわーすげー。またもやミラクル。恐らく一人で周っていても、米軍基地のお祭りに気付かなくて素通りだっただろう。

マジ、このオジちゃんに感謝だ。

米軍基地に入っていくと、中は外人さんだらけで、軍服(迷彩)着た人が走っていたりした。奥へと進むとビーチがあり、そこではお祭りが行われていた。バレーボールやっていたり、バスケやってたり、輪投げみたいなのやっていたり、外人さんだらけで外国に来たような感覚だった。

米軍基地の浜辺で、お祭りをしている。

そして、外人さんはみな強そうだった。ナチュラルにムキムキした体の人が多く、俺もやっぱりカラダ作んないとな~と思った。

オジちゃんとは『ヒッチハイクで疲れたでしょう。ビールでも飲んだら最高でしょう』みたいな話が合って、俺は一般的にそうだろうなと思って『ええ、ああ~』みたいな感じで答えていた。

一回りして、最初に向かったのが、飲み物を売っている所だった。オジちゃんはビールを2本買ってきて、僕に一本くれた。あ~、どうしよう。俺ビール飲めんしな~。。。『俺、ビール飲めないんですよ~』と、なんかオジちゃんに悪いことをしてしまった。

せっかく親切にしてくれているのに。。。やってしまった。

オジちゃんは代わりに、水を買ってきてくれた。なんて、優しいお方なんだ、こんな俺にも(涙)

ここでは、ドルを使って支払うみたいだった。オジちゃんいわく普段はもっと安いらしい。『ビール1本1ドルなんだ』と言っていた。

米軍基地で、ハンバーガーを食べる。

そして、また少し歩き、今度はハンバーガーを食べさせてくれた。

下のバンズの上にハンバーグが置いてあって、そこに自分でケチャップやマヨネーズ、トマト、レタスなどを乗せていく感じだった。これが、本場アメリカのハンバーガーか~と感動した。

ハンバーガーも食べ終わり、『オジちゃんはそろそろ行こうか』とここを去ることにした。

俺は、外人さんに何か声をかけたかったが、かけられず。いややろうと思えば、やれたはず。それがちょっと残念だった。

ここを去る時に、オジちゃんは米兵に『サンキュー』といっていた。俺も『サンキューベリーマッチ』と言い続いて、笑顔で『グッバイ』と手を振った。そしたら米兵は、笑顔を返してくれた。やっぱり、外国人だろうが人、皆いい人だった。

そんなこんなで米軍基地を後にし、名護市から宜野座村に入ったあたりの大きな道の所でオジちゃんと別れた。

ちょうど信号の手前で、降ろしてもらって、自分のプロフィールを渡した。オジちゃんの連絡先を聞きたかったけど、信号の前だったので、急いで降りて聞けなかった。だけど、あそこは、聞くべきだったよなと、少し後悔した。

宜野座村~歩いてキャンプ地を探す

米軍基地に入れたことで時間の事をすっかり忘れていたけど、時刻はもう6時近かった。そろそろ寝床を探さねばといった時間だ。すぐ近くに、海へと降りる所があったけど、テント張れそうにもなかったので、もう少し進むことにした。

宜野座村で、出会った犬。

道中かわいいワンちゃんに遭遇した。

地図を確認すると、少し先に漢那キャンプ場というのがあったので、そこに向かうことにした。

今日は、さっきのオジちゃんにとてもお世話になりまくっていたので、もうヒッチハイクをする気にもなれなくて、最後は自分の足で歩いていく事に決めた。それが次のビーチまで意外と遠くて、7kmくらい歩いた。かなりきつかった。

歩道を歩いて進む。

足がスゲー痛かったが、根性で歩いた。時刻はもう7時過ぎ、なんとかキャンプ場近くまで辿りついた。

近くで座っている少年?若い男に声をかけられ、『どこからですか~?』と、さっき自分が歩いているのを見かけたらしい。『カメラ持っていましたよね?』と。そんなこんなで、旅の事を話したりした。

こういう風に声をかけてくれるのは嬉しい。俺は疲れて、正直あんまり余裕なかったけど(笑)

この日は、汗だくで身体がネトネトしだしていたので、キャンプ場に泊まるのもありかな?と考えていたのだけど、漢那キャンプ場に着くと、なんと営業していなかった。

そんなこんなで、結局今日も野宿だ。近くにあった公園の近くの浜でテントを張ることにした。

キャンプ場がやっていなかったのは、『やっぱり、キャンプ場や公共の施設は、この旅で使わんといた方がいいんじゃない?』と神様が言っているような気がした。

この公園では、音楽を流して聴いている2人組のオッちゃんに声をかけられた。なんとなく、この人の目がすごい怖かったが、そんなことにビビっていては野宿できるか!!と、近くの浜で、野宿した。

公園の水道借りて、洗濯もした。この日の晩は、旅の4日目にヒッチハイクで乗せてもらった血液を運ぶオバちゃんから電話をもらった。『ちゃんとご飯食べないと駄目ですよ』と言ってくれた(涙)

あ~、一人生きているんじゃないんだなと思った。

皆の支えがあって俺がいる。親切にしてくれた皆のためにも、明日も頑張ろうと思った。この日は、魚の煮干しを晩御飯に食べた。

7日目のまとめ

沖縄の旅7日目の移動記録。

本日の移動・・・名護市久志⇒宜野座村漢那ビーチ付近

移動距離・・・名護市街に寄り道したのをいれると、30kmくらい。海岸線を進んだ距離としては、15kmくらい。

ヒッチハイク・・・3台

沖縄の旅7日目の今日は、海岸線を逸れて、市街地へ行き、カメラのメモリーカードと、3日目にお世話になったジムニーのお姉さんを探すというミッションをこなした。なんとか無事に任務を果たし、また東の海岸線へ戻り、南下して先を目指した。

この日最後にヒッチハイクしたオジちゃんには、米軍基地のお祭りへと連れて行ってもらった。まさかの展開に、ヒッチハイクの旅は想像もしない展開になる事もシバシバ。ほんと、旅先での出会いは、一期一会である。

【一期一会・・・一生に一度の出合いであり、二度とないという意味である】(weblio辞書より)

今回の旅は、公共交通機関を一切使わずに、歩きとヒッチハイクのみで、沖縄本島を海岸線に時計回りに1周するというもの。宿泊も公共の施設を使わずに、基本テント泊しながら、周る予定だ。

特別どこを観光するという訳でもなく、朝起きたら、ただひたすら海岸線沿いに歩きとヒッチハイクで進めるだけ進んで、暗くなったら適当な所を見つけて、テント泊するという超シンプルな行き当たりばったりの旅。

現在旅は7日目。果たして、明日には何が待っているのやら~?

この旅は、皆さまの優しさに助けられて、成り立っている。本当に、感謝である(涙)

沖縄本島1周、さすらいの馬鹿野郎の冒険旅は、まだまだ続く。。。

続きは、こちら⇒『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅⑧~海中道路を渡って、離島へGO!!