台所排水の浄化装置を自作してみた。
2018年6月、台所排水の浄化装置を自作してみました。傾斜土槽法という仕組みを使って、台所排水を浄化させていきます。軽石やシマミミズの力を使って、排水を浄化させる素敵な装置です。初めての挑戦で、試行錯誤しながら使っていますが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
台所の浄化装置の情報源。
台所排水の浄化装置の仕組みを知ったのは、とある方から頂いた絵本の中からでした。
農文協からでてる、絵本シリーズの『水をめぐらす知恵』という一冊。
農文協の絵本シリーズは、子供から大人まで楽しめる中々素敵な本で、何か調べものをするのにも、わかりやすく書かれてて面白いシリーズです。この『水をめぐらす知恵』には、水にまつわる色んな仕組みが詰まっていました。山の沢から水を引く方法や井戸掘り、雨水タンク、水の浄化装置、バイオジオフィルター、ビオトープとワクワクするワードが盛沢山♪
そんな中に台所排水を浄化する装置【傾斜土槽法】というのが紹介されていました。『これは、面白い。いっちょ、自分もやってみっか』ってことで、挑戦していきます^^
台所排水の浄化装置を自作。
絵本の中の傾斜土槽法を参考に、自分流にホームセンターで用意できるものを利用しながら、作っていきます。(※本家の詳しい設計図等までは、わからなかったので、勘を頼りにした我流も多く含まれています)
木枠を作る。
流しの丁度外側に、浄化装置がのる木枠を作っていきます。配水出口から、傾斜して、順番に水が流れていくように作っていきます。
今回、浄化装置を作るにあたって、壁に穴を空けて排水ホースを通しました。
ホームセンターで、使えそうな物を探して、フードコンテナというのが、ちょうど使えそうな大きさだったので、利用してみました。こんな感じに緩やかな傾斜をつけてあげて、排水がコンテナの中を伝って、順番に流れていく仕組みになっています。
ボックスを加工していく。
これは、モルタルを練って、型枠して、障害物を置いて、緩やかに水が流れるようにしてあげます。
数日して、モルタルが固まると、こんな感じに。
水が落ちる部分は、インパクトドリルで穴を空けてあげます。
初めて作った時は、小さめの穴でしたが、後に不具合が出て、徐々に穴を広げていく事となります。(使っているうちに目詰まりしてくるので、その都度穴を大きく改良していった。)
できれば、最初からもっと大きな穴を空けておく方が良さそうです。
軽石を入れる。
これもホームセンターで買ってきました。園芸コーナーなんかに置いてあります。粒の大きさもどのくらいが良いのかわからなかったので、勘を頼りに小粒と中粒を用意してみました。
多孔質の軽石だと、石の表面積が広くなり微生物が沢山住めるのだとか。有機物を微生物が分解、吸収して、排水を浄化してくれるという仕組みです。
コンテナに穴を空けた部分には中粒、後は小粒といった感じで入れてみました。
上部まで入れてあげて、こんな感じに。最初は、塩梅がわからなかったので、こんな感じに入れましたが、目詰まりしだすと溢れたりするので、余裕もっても少な目に入れるように、後に改良していきます。
木枠に扉をつける。
木枠に扉をつけてあげました。スモールハウスと合わせて野地板を鱗状にしてみました。
左サイドは、コンテナを出し入れできるように取り外し可能なようにしてみました。何かあった時は、この壁を外して、管理していきます。
台所排水の浄化装置、完成。
排水のホースを丁度良い長さにカットしてあげて、セットした装置の上に置いてレンガで押さえてやって台所排水の浄化装置完成です。
試しに水を流してみます。
箱の軽石の中を伝って、水が段々に流れていきます。
5段の箱を通って水が浄化されていきます。
扉を微調整。
しばらく使っていたら、小さい蛾のようなものが出てきたので、扉のスノコ状にして、通気性や光を入れて、対策してみました。
こんな感じにリニューアル。
シマミミズを投入。
ある程度使ってから、装置にシマミミズを入れて浄化を手助けしてもらいます。この使うミミズは、フトミミズでなくシマミミズがいいそうです。シマミミズは、少し艶々して、縞々があるミミズで、堆肥化を進めてくれるのに、役立つ分解の達人です♪また、目詰まり防止の意味もあるようです。
フトミミズは、もっと大きくなるミミズで、白っぽい首輪のような模様が一部にあるので、見分けられます。
ろん農園では、台所では洗剤は使わず、アクリルスポンジを使っての水洗いのみなので、洗剤で生き物や微生物にダメージを与えるといった心配はありません。 脂っこいものは多少コツ入りますが、 意外と水だけでも、綺麗に洗えちゃいます^^ここ10年くらい食器洗剤とは、無縁の生活をしています(笑)
話はそれましたが、シマミミズちゃんのために、熱湯をいっぺんに流してあげないように、注意はしてあげています。
浄化装置、その後の改良。
時々、目詰まりを起こして、排水が箱の上からオーバーフローすることもあるので、そういった時は、箱の中を棒で混ぜて、目詰まりを解消してあげたりと、管理も必要になってきます。
それでも、目詰まりする事が多くなってきたので、少し穴を大きくしてみました。
また一番上の箱が、汚れが溜まりやすいので、下の段と入れ替えてみたりしてみました。どうやれば、うまく回していけるのか、使いながら、考えていきます。まだこの方法が正しいのかは未知。
ひとまず、こんな感じになりました。
2020年2月。徐々に穴を広げていって、最終的には、
1㎝近くの穴に改良しました。使う軽石も小は辞めて、大を中心に使うように変わっていきました。(目詰まり防止)
また、上下の箱を入れ替えたりして、使っていましたが、数年使っていると、全部の箱に汚れ(ヘドロのような物)が溜まってきて、中々うまい具合に浄化が回っていきませんでした。(自己流な部分も多いので、あくまでも私の場合は、、、)
そこで私が、思いついた方法がこれです。
ある程度汚れが溜まってきたら、一度中身を取り出して、ビニールハウスの中に置いて、乾燥させていきます。乾燥させている間は、 浄化装置のコンテナに、新しい軽石を入れておきます。
ハウスで乾燥させてあげてから、軽石をフルイにかけてあげると、汚れ(ヘドロ)が乾燥して土のようになっているので、取り除かれて、掃除ができて、また浄化装置に使える軽石へと生まれ変わっていくんでないか!?と、現在取り組んでいる際中です。
あと、汚れを溜めさせない工夫としては、流しの口を網目の細かい物に変えるという事も有効です。
また、このやり方がうまくいったかどうかわかったら、追記していきたいと思います。
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