【自給農家が教える】鶏の絞め方、捌き方。

2020年3月2日

200羽の自然養鶏を営んでいる自給農家の鶏の絞め方や捌き方を紹介したいと思います。本来は、採卵用に飼っているので、基本的にはお肉にしないのですが、淘汰の必要が出てきた時に、自分で絞めて、捌いて自家用のお肉にしています。

生きている鶏さんからお命を頂戴して、お肉に加工していきます。鶏を絞めると、スーパーで並んでいるお肉たちも誰かがこの工程を必ずしているから、お肉が食べられる、命を頂いているんだなと、いつも再認識します。

鶏の絞め方、捌き方~

生きた鶏さんを絞めて、スーパーで売られておるようなお肉の形になるまでを紹介していきます。※そういった過程の写真が写っているので、苦手な方は、ご遠慮願います。

淘汰の対象を選ぶ。

2020年1月18日、淘汰を兼ねて、鶏を2羽ほど捌きました。

対象となる鶏を選んでいきます。

淘汰の対象となる鶏の特徴。

  1. 顕著に弱い子。一度イジメられると、臆病になって(チキンハートなので)、逃げ回り、餌の食べる量も少なくなり卵も産まなくなりがちです。またこういった子は、産卵箱に隠れて、卵を荒らしたりする可能性も高くなります。
  2. 産卵箱の卵を食べる子。時々ですが、産卵箱の卵を突いて食べてしまう子が、出てくることがあります。一度味をしめてしまうと、毎回突かれてしまうので、こういった子は、淘汰の対象となります。
  3. 顕著に相手を攻撃する子。鶏によって性格も様々なので、たまに、こういった攻撃性の強い子もでてきます。鶏たちは、誰かが突かれて血を出していると、皆で赤い血めがけて、突き出してしまうという、恐ろしい事にもなりかねないので、そうならないためにも、スターターの攻撃する子を淘汰する事もあります。
  4. 上記以外で、羽数を減らしたいときなどは、一番古くからいる部屋の鶏から、卵を産んでなさそうな子を選んで淘汰していきます。だいたい卵を産まない子は、鶏の序列の低い子(弱い)が多いです。見た目としては、身体が小さかったり、トサカが小さかったりで、逃げ回ってるような子を淘汰していきます。

そのような子を選んで、コンテナに入れて、連れていきます。今回選んだ子は、背中を突かれて、ケガしている子でした。

もう一羽は、一番古い部屋の中から、トサカが小さく逃げ回っている子を選びました。

鶏の移動は、コンテナを改良した自作の収容ボックスがあると便利です。

鶏の絞め方~

鶏の首を落とし、血抜きしていきます。

準備する物・・・小さめのバケツ、紐、台、手斧など。

鶏を左手で押さえておきながら、手斧で首を落としていきます。落としたら、バケツに首の方を下にして、血を抜いていきます。

しばらくバタバタしますが、落ち着いて来たら、紐で足を縛って吊るしていきます。

お湯を沸かし、脱羽。

吊るしてる間に、大きめの鍋にお湯を沸かしておきます。

温度は、75度くらいを目安にしています。今回は、少し熱めの80度でおこないました。

後でまた、脱羽する時に吊るすので、紐はつけたままにして、お湯につけていきます。

ジャボンと全体に浸かるようにしてあげて、軽くゆすってあげます。

そしたら、上にあげてと、この動作を何回も繰り返してあげます。時間にすると2~3分くらいでしょうか。お湯に通してる間に、柔らかかった関節も段々硬直して硬くなってきます。

1羽やると、お湯の温度が少し下がるので、

2羽目をやるときは、 もう一度75度くらいになるまで、加熱してあげます。

その間に、1羽目を脱羽していきます。作業しやすい高さに、もう一度、吊るしてあげます。

そして、羽を抜いていきます。適温にお湯をつけることによって、羽が簡単に抜けるようになります。

ガスバーナーで、産毛を燃やす。

だいたい綺麗に抜けました。

産毛のような細い毛が残っているので、

ガスバーナーを使って、軽く炙って毛を焦がしていきます。

全体的に軽く炙ってあげて、産毛を焦がしてなくしてしまいます。

綺麗に脱羽が完了しました。

さあ、捌いていきます。

鶏の捌き方~

ここからは、出刃包丁で、鶏を捌いてお肉にしていきます。

まずは、足首の関節の部分を切っていきます。

ここ、一見膝のようだけど、かかとに当たります。

もも肉。

まずは、お腹の部分に切れ目を入れていきます。

皮一枚分だけを切っておきます。

そしたら、両足を手で持って、ガバっと開いていきます。

最後まで開き切手あげます。根元の骨がボコっと出るくらいまで開いてあげます。

そしたら、お尻の側から、骨に沿って、切り取ってあげます。

こんな感じに、骨付きのもも肉がとれました。

胸肉と手羽先。

もも肉がとれるとこんな感じになります。

ひっくり返して、肩の根元付近に包丁を入れて、切れ目を入れていきます。中の腱なんかも切っておきます。

上下にも少し切れ目を入れてやり、手羽の部分を片手で持って、

反対側を逆の手で押さえながら、胸肉を引きはがしていきます。

手羽先と胸肉がとれました。

ささみ。

指で差した部分がささみになります。

根元の方の腱を包丁の先で出してあげたら、指先でつまんで、 軽く引っ張りながら、包丁でこそぎ取っていきます。

ささみがとれました。

左から、もも肉、ささみ、胸肉と手羽先。

内臓。

親指と人差し指の間にいる骨の部分に包丁を入れて、

胸側の骨と背骨側の骨を分離してあげます。 両側とも切り込みを入れてあげたら、

竜骨の根元辺りを持って、背中側と引き離していきます。

こんな感じに、2つに分かれます。

背中側の骨の方に、内臓が全部くっついてきます。左から、心臓、肝臓、砂肝。

それぞれ外していきます。心臓。

砂肝。砂肝は、包丁を入れて、2つに割ってやって、中身を取り出していきます。

中は、こんな感じ。砂肝というだけあって、石が入っていたりします。鶏さんは歯がないので、この石を利用して、 食べ物を砕いていきます。他には、草などの食物繊維などもよく出てきます。

余談ですが、鶏に、この石や繊維が少ないと鶏同士の毛を食べたりし出して、挙句の果てには、お尻を突き出す尻ツツキという悪癖をだし始めます。なので、シッカリ石がが入っているか、食物繊維はしっかり食べているかと健康状態をチェックしておきます。この子はシッカリと石を食べていました。

中身を出して、水で綺麗に洗ってあげるとこんな感じ。

黄色い皮を剥いでやります。

残りは、小腸などの内臓部分。ここは、外して処分しています。

他にも卵を産んでる鶏だと、キンカンとかたまひもと呼ばれる卵の前の段階の黄身のようなものが連なったものも出てくるんだけど、今回淘汰した子達は、無しでした。(淘汰する鶏としては、正解)

ちなみに、以前捌いた時の内臓の写真。左の黄色いのが、キンカンです。味は、黄身そのものです。

右下のは、肝臓。

鶏ガラ、鶏ガラスープ。

内臓部分を外してあげるとこんな感じに。

沸騰したお湯をかけてやって、ジャバジャバと揺すってやって、軽く洗ってあげます。2~3回やってあげてます。

そしたら、殻をとしだして、鍋でグツグツ煮込んで出汁をとっていきます。

肉を分ける。

手羽先と胸肉を包丁をいれて分けてあげます。

次に、もも肉の骨をとっておきます。骨付きでもいいんだけど、後々調理しやすいのでとっておきます。ここは、好みでいいかと思います。

まずは、骨に沿って切れ目を入れていきます。

次に膝の関節に切れ目を入れていきます。

そしたら、もも側の骨を立てて、最初に包丁で軽くそぐようにして、その後肉をはがしていきます。

そして、根元に包丁を入れて、骨をとってあげます。

次は、ひざ下の骨。根元付近で、包丁の背を使って、打撃を加え、骨を折ってやります。

そしたら、骨を立てながら、肉をはがしていきます。両サイドに包丁を入れてあげて、骨を除いていきます。膝の部分には軟骨のような骨があるのでそれも一緒に、取り除きます。

そうすると、こんな感じに、もも肉が仕上がります。

そんなこんなで、計2羽捌いて、こんな感じに。

手前左から、手羽先、もも肉、胸肉とささみ、上段、殻、ハツとレバーと砂肝。すぐに、全部は食べられないので、ビニール袋に入れて、冷凍にかけて保存しておきます。

と、こんな感じで時々鶏を捌いています。肉の自給自足なり^^

ブロイラーとの違い&調理のコツ。

自分ところで飼っている鶏は、肉用に飼育されているブロイラーとは、肉質が全然違ってきます。これらの肉用に飼われている鶏は、産まれてから2か月くらいで、お肉となるらしいので、超若鳥&超急成長で太らされるので、とても柔らかくフワフワのお肉になります。(否定しているわけではなくて、これはこれで美味しい。)

しかし、自給農家のように卵用に飼っていて、淘汰してお肉にする場合は、飼育期間もずいぶん長くなってきているので、お肉の質はブロイラーと比べるとずいぶん硬くなってしまいます。また、お肉の量も、スーパーのお肉と比べると随分小さくなります。

そういった違いはありますが、こういった鶏は野生の鳥のお肉にも近いものがあるのだと思います。また、自然養鶏では、平飼いなので、アチコチ走り回れて、足も筋肉質になるだろうし、野生的でワイルドな肉質となります。

なので、もも肉なんかは、特に硬くなりなります。そのままだと、硬くて食べにくいので、圧力釜で20分~30分くらい圧をかけてやると、柔らかくなって食べやすくなるので、お勧めな調理法です。胸肉は、圧をかけても、そこまで柔らかくなりにくいので、細かく裂いてやると食べやすいように思います。

内臓系は、ブロイラーと硬さはそんな変わらないです。うちでは、よく甘辛煮して食べています。