3坪のスモールハウス自作してみた~総工費は20万~

2024年1月25日

スモールハウスの自作。

2014年3坪のスモールハウスを自作してみた時の様子を紹介したいと思います。初めての本格的なセルフビルドでしたが、なんとか想像したとおりの小さな家が出来上がりました。6畳一間に、ロフトが寝室となった定番のスモールハウスです^^素人ならではの、オリジナルの工法が多々見られますが、少しでも参考にしていただけたら幸いです。

人が生きていくのに、実はそんなに多くの物は必要ありません。多くを求めず、必要最低限の物を持ったシンプルな暮らし、そんな暮らしに憧れて、スモールハウスの建築に思い至ったのでした。

スモールハウスの基礎。

敷地に土を盛る。

ここが、スモールハウスの建設予定地。

少し土を盛って、わずかだけど、グランドラインを高くしてみました。

地鎮祭。

基礎は、簡易な作りで、ホームセンターなんかで売ってる羽子板付きのピンコロを使いました。

作業を開始する前に、地鎮祭。お酒と塩と榊を添えて、土地の神様にご挨拶。

宮司さんを呼びまではしないけど、ここに家を立てさせてもらいます。無事に立ちますように、と祈願します。井戸掘りの時もそうだけど、こういった儀式は大切にしています。

タコを作る。

基礎を作っていくのにあたって、こんな道具を作りました。

うちでは、タコと呼んで使っています。

地面を突き固める。

このタコを使って、柱や床束がくる位置を叩き固めていきます。

基礎にバラスを敷く。

ある程度(5~6cm程度)突き固めてあげたら、そこにバラスを敷き詰めていきます。

柱がくる位置を水糸を張って、出しているのだけど、そこら辺に転がっていたセイタカアワダチ草の枯れ枝を利用しているのがウケる。

基礎が出来上がる。

全部やり終えると、こんな感じに。

このバラスの上面のラインは、レーザーレベラーを使って、同じ高さになるように揃えてあげてあります。あとは、各場所にピンコロを設置すれば、基礎の準備完了です。

スモールハウスの建前。

刻みを入れた柱や梁。

柱や梁は、工場にストックしてあった材を利用して、ホゾ組みを刻んでみました。

柱や梁、桁のホゾ組みを作ってる様子は、別の記事で紹介しています。⇒『初めてのほぞ組みづくり

祖父が大工だった工場には余った木材などのストックが沢山あったので、買わずにそれらの木材を利用させてもらいました。ホゾの刻みも初めてでしたが、なんとかそれっぽくできました。

スモールハウスの建前。

いざ、建前。

梁と柱を組み合わせる。

柱と梁を組み合わせる時は、ドキドキでした。初めて作ったホゾ組みがちゃんとハマってくれるのか?心配していましたが、カケヤで叩き入れていくと全てピッタリとハマってくれました。ほっ。

柱、梁、桁を組み合わせていく。

柱と梁、そして桁が組み合わさりました♪それっぽくなってきたぜぃ。

柱と角材をボルトで繋ぐ。

床の辺の木材は、ボルトで繋ぐという素人ならではの簡単工法を採用しました。

桁、梁、柱を羽子板ボルトで繋げる。

桁、梁、柱を繋ぐのは、羽子板ボルトで固定していきます。これは、セオリー的な工法だと思います。

仮の筋交いを入れる。

ぐらつかないように、仮の筋交いを入れて、ひとまずこんな感じに。

棟上げをする。

棟上げ&ロフトの床の下地の完成。

スモールハウスの床束。

床束を入れる。

次に、床束を設置していきます。車のジャッキを使って軽く浮かせて束にシッカリ荷重がかかるようにセットしてみました。

床束をかすがいで止める。

束を入れたら、カスガイで止めてあげます。

全ての床束を入れ終える。

全ての床束を入れえてあげました。

強度を上げるために、四隅に火打ち梁?を入れておきました。

スモールハウスの屋根。

屋根垂木を合わす。

続きまして、屋根垂木を張っていきます。桁には垂木がのる所に刻みを入れておいたのですが、梁の部分を計算に入れてなくて、不都合が出てきました><

垂木彫りを追加する。

そこで、思いついたのが、チェンソーで刻みを入れる方法でした。

プロならやらないであろう荒業(笑)

垂木がピッタリハマる。

いい感じに収まりました♪

小屋束が垂直になるよう調整する。

カチャカチャで、小屋束が垂直になるように合わせておいて、屋根垂木をビス止めしていきます。

屋根垂木を張り終える。

段々それっぽくなってきました^^屋根垂木には2×4の材木を使ってみました。

捻り金物で垂木を止める。

ビス止め斜め打ちに、プラス捻り金物を使って、止めてみました。

屋根の板を張る。

次に、屋根の板を張っていきます。

天窓の部分を空けておく。

一部明り取りに、空けてみました。

屋根に波ポリカを張る。

屋根材は、波ポリカを使ってみました。

屋根の勾配が結構急で、危なくて作業できないので、足場と足場の間に単管パイプを繋いで乗って作業できるように工夫してみました。

ポリカを張る下地の様子。

ポリカを打つ下地はこんな感じ。

ポリカを傘釘で止める時は、念のためインパクトドリルで下穴を空けてから、止めていきました。

棟包みの下地を張る。

屋根の頂点。

棟包みの金物を当てるための下地材を打ち付けておきます。

棟包みの金物をあてる。

棟包みの金物を当てて、こんな感じに仕上がりました。

屋根が仕上がったら、雨が降っても、ひとまずは安心です♪

床束を貫板で繋ぐ。

床束を貫板で、縦、横と繋いでおきます。

束は、束石に乗っかているだけ^^

根太を張っていく。

根太となる垂木を30cm間隔で張っていきます。

ロフトにスノコ状に板を張る。

ロフトは、1×4の木材をスノコ状に張ってみました。

スモールハウスの壁や窓。

西の壁に、間柱、筋交いを入れる。

続いて、西側の壁。

間柱と本筋交いを入れていきます。筋交いは、強度を高めるために⇒三角形を作ってあげることで、四角形がひしゃげないようになって、壁が固まります。

間柱は、外側の壁を張る下地の役割を果たします。

西の壁に、板を鱗状に張っていく。

壁は、工場にストックのあった薄い野地板のような材を鱗状に仕上げてみました。

鴨居や敷居を作る。

工場に、引き戸や窓のサッシなどがストックあったので、それらを使わせてもらいました。また、雪見障子をオークションで落札して、手に入れたので、それらに会う鴨居や敷居を自作してみました。

敷居を自作する。

工場の機械を色々物色していたら、ありました。名前はわからないけど、溝を掘る機械。

ぶっつけ本番で、勘を頼りに使ってみました。

自作した敷居と鴨居。

機械の威力は、すごい。素人でも、簡単にこんな溝が掘れちゃうんだから。本当お爺様が残してくれた機械に感謝です。

自作した敷居をセットする。

これは、南側。雪見障子を滑らせるための敷居。

窓のサッシをセットする。

外側に、工場にストックのあったサッシをセット。

北側に引き戸をセットする。

北側は、自作の敷居や鴨居をセットして、工場にあり合わせた引き戸を合わせてみました。なるべく買わずに、あるものを最大限に有効活用。

東側の窓枠を作る。

東側には、窓を設置予定。

窓のサッシを模調整。

これも、工場にあり合わせたサッシで、スモールハウスに会うように、グラインダーで微調整。

柱や筋交いの部分が都合悪かったのでカットして合わせてみました。

窓のサッシを設置する。

ピッタリ合いました。

東側に、窓が入る。

こんな感じに。少し曇りの入ったすりガラス。

東側の壁を板の鱗状にする。

こちらの壁もあり合わせの材で、板を鱗状に仕上げていきます。

床を張る。

木の板の床を張る。

床板を張っていきます。シンプルにノーマルな普通の板を使ってみました。

これは、ゆくゆく失敗したなと思いました。床板が、使っていると乾燥して、板と板の間に隙間が空いてきて、ぶっちゃけ塩梅悪かったです(苦笑)あとあと、隙間を埋めるために、コーキングしたりと手間が増えます><

床板は、ケチらず多少値段はっても、床用の重なり合わすような板がお勧めです。

時計ストーブ。

時計ストーブの台を作る。

これは、調理用時計ストーブの台。台の上に置くことによって、調理する時に使いやすい高さになるように考えてみました。

ガスをひかずに、薪調理したいと思っていたので、調理用コンロとなる時計ストーブを設置していきます。壁を仕上げる際に、煙突の穴を空けておきたいので、この段階から設置しておきます。

時計ストーブをセットする。

これが、時計ストーブ。冬場なんかは、どこのホームセンターでも売ってるんではないでしょうか?

値段は5000円前後と安価ですが、使い勝手良くとても便利な一品です。煮炊きと暖がいっぺんにとれる革命的商品です♪


 

メガネ石をセットする。

壁抜きの煙突部分には、断熱素材のメガネ石をセットしておきます。

窓を作る。

ロフト窓の敷居、鴨居を作る

ロフト用に中古の小窓をヤフオクで注文しました。

前回に引き続き、敷居や鴨居を自作していきます。

東のロフトの窓を設置する。

ロフトの東側。

西のロフトの窓を設置する。

ロフト西側。東と西の両サイドに小窓をつけてみました^^それぞれ、ヤフオクで2000円くらいだったかな?これは、宅配で送ってもらいました。

西の木の壁が出来上がる。

西側の壁も仕上がってきました。

ロフトの窓が出来上がる。

雨がしけこまないように、窓の上にはトタンを折り曲げて被せてみました。

窓の雨漏り防止の金物。

トタンを折り曲げて、こんな風なものをあてがってみました。

雪見障子をセットする。

一階の南側には、雪見障子をセット♪

雪見障子は全部で9000円くらい、安ッ。ヤフオクで見つけた中古品で、車で2時間近くかけて取りに行きました(笑)新品使わなくても、中古でもまだまだ使えるものが出回ているんだな^^

南側は一面窓で、明かりを沢山取り込めるように設計してみました。

南側1面を窓にする。

外側には、窓が一面入っています。奇跡手にこの窓は工場にストックしてあったものでした。

スモールハウスの完成。

そんなこんなで、スモールハウスのほぼほぼ完成してきました。

スモールハウスのロフトの様子。

ここが寝室となるロフト。南側の天窓は、ゆくゆく閉じる事となりますが、最初はこんな感じで使っていました。(天窓は、夏は暑くて、冬寒いので、閉じることになります)

三角形の空間が、まるでテントの中にいるよう。

一見6畳一間のスモールハウスですが、ロフトもほぼ6畳使え、外見よりも結構たくさん物が入るし、実質2部屋あるような感じになっております。

時計ストーブの設置。

一階には、時計ストーブをセットして、煮炊きができるように。

スモールハウスの階段ができる。

ロフトへの階段はこんなのを作ってみました。

スモールハウス一階の様子。

流し台を設置して、ひとまずこんな形に。

スモールハウスが出来た当初はまだ、電気も引いていなかったので、しばらくは非電化生活をしていました。その時の様子は、別記事で紹介しています。⇒『非電化生活一か月してみた時の話』

自作のスモールハウスの完成。

こんな感じで、スモールハウスが無事完成しました。

スモールハウスの建築に使った材の半分くらいは、買わずに工場にストックしてあったあり合わせの材を利用したり、中古で安く仕入れた建具を利用したりしたので、材料費は全部で、20万もかからなかったくらいだったと思います。施工は私一人で行なったので、人件費もゼロ円。

3坪一間の質素な家だけど、これで、まず生きるために必要な最低限の棲み処をゲットできました。このスモールハウスを建てたのがろん農園の始まりでした。

ここから、西や東側に薪置き場となる出し屋根を追加したり、縁側を作ったり、裏に3坪の土間を作ったりと段々バージョンアップしていきます。また土間には、五右衛門風呂を作ったり、裏庭にDIYで井戸を掘ったりと、まだまだライフラインを確保するための挑戦は続きます♪

スモールハウスを建てる際に、参考にした書籍。

『スモールハウス』著者が建てて暮らす3坪のスモールハウスを始め、世界各国のスモールハウスの事例が紹介されています。3坪の小さな家で、自由に豊かに暮らす人々の様子を感じ取れます。世界には、面白い人たちが沢山いるんだな^^

『100万円の家づくり』これは、3坪のスモールハウスではありませんが、比較的小さな家をセルフビルドする詳細が掲載されています。基礎からホゾの刻みの方法なんかも紹介されていて、とても参考になりました。(基礎は、私のような適当工法でなく、ちゃんとしたやり方が載っています)

『セルフビルドー家を作る自由ー』日本各地のセルビルダー達の家が紹介されています。中に載ってる人たちは、セルフビルドとは思えないくらい立派な家を建てている人も多いです。色んな人の具体例が載っているので、自分に合う感じの家も出てくるのかなと思います。

百聞は一見に如かずで、写真とか文とかでも、触れることで、自分にもできるかもとイメージしやすくなるかと思います。中には、竹を利用して屋根を作ったバンブーハウスなんかも載っています♪世の中すごい人がいるもんです(笑)もし、セルフビルドする気がなくても、見てるだけでもワクワクドキドキするお勧めの一冊です。

また、セルフビルドをするときの法的な事や注意点なんかも載っているので、参考になるかと思います。