北海道自転車(ママチャリ)1周旅~④浜頓別町から増毛町間~2011年夏の記録~

2022年4月23日

今回は、北海道自転車(ママチャリ)1周の旅の10日目からの話。この旅は苫小牧から反時計回りに自転車のみで海岸線を回り、テント泊しながら、北海道1周を目指している。昨日は浜頓別町のクチャロ湖畔キャンプ場で美しい夕日を眺めた後、床に就いたのであった。その翌朝からの話である。

10日目。最北端、宗谷岬。

2011年7月20日。今日は5時40分に出発。少し走り出した後、毎度おなじみのセイコーマートでおにぎりを3個食べて、腹ごしらえ。すじこのおにぎりが珍しかったので食べたら美味しかった。

238号を海側へ少しそれ、エサヌカ線へと入る。

北海道エサヌカ線。
エサヌカ線。

この通りは、家も店も電柱も看板も何もないまっすぐな道がずっと続いており、両サイド草原、牧草地?が広がっていて、自転車を走っていてとても気持ちがよかった。

15㎞くらい続いたエサヌカ線を越えて238号に合流し、先を目指す。昨日の浜頓別に入ってから、風が強く今日はずっと追い風が吹いていて、いいペースで走れた。ケツが痛いのは心なしかマシになってきた気がする。

快調に走り、宗谷岬に到着した。時刻は10時30分。すでに60㎞くらい走ったことになる。追い風だったこともあり、かなりのハイペース♪

ママチャリダー、最北端の宗谷岬に到着。

宗谷岬では、チャリダーにたくさんあった。まずは、新潟から親子でやって来た2人で、30近いお兄さんと60近いオッちゃんだった。僕のママチャリスタイルを見て、すごい喜んでくれた。

『すげーな~個性あるよ~』って(笑)

この二人はフェリーで小樽まで来て、そこから自転車で北上して最北端の宗谷岬まできたらしい。親孝行で一緒に旅をしているみたいで、そういった旅もあるんだなと感動した(涙)

他にいたもう一人のチャリダーは、横浜から自転車で走ってきたという50~60歳あたりのオッちゃんでした。なんと、ここまで10日で来たんだとか!?すごい。50過ぎのオッちゃんが自転車で、横浜から北海道の最北端まで走ってくるなんて、アンビリーバブル。

オッちゃんはオッちゃんで僕がママチャリで、毎日100㎞前後走っているのに驚いていた(笑)

そして、『このママチャリスタイルは中々いないよ~。こういうスタイルはいいよ~』と改造ママチャリの写真を撮ってた。このオッちゃんは、最北端の宗谷岬がゴールでここを目標にして走ってきてて、帰りは電車で帰るそうだ。北海道チャリダーというと、1周する人ばかりかと思っていたら、人それぞれでいろんなパターンがあるんだなと思った。

何度も言うが、こういったチャリダー同士の出会いは、いい思い出だ。ほんの数分出会っただけだけど、今でもその時のことをよく覚えている。

最北端ラーメンを食べる。

宗谷岬では、最北端ラーメンを食べた。1300円。海鮮系のちょっと贅沢な味噌ラーメンだ。カニ、エビ、タコ、貝が入っていて旨かった。

ご飯を食べ終わり、まだ11時半だけど、先を目指す。

しばらく走って、稚内付近に来ると、さっきの親子チャリダーに追い抜かれた(笑)やはり、タイヤの細いロードタイプは早い。

稚内の市街に入り、キャンプ場の近くまで来るが、まだ時間は1時半とか2時とかそれくらいだった。どうしようか?この先キャンプ場はなさそうなので、とどまるか少し迷ったが先を目指すことにした。まあ、なんとかなるべ。

途中、野寒布岬に立ち寄る。

ノシャップ岬と利尻島。

お土産屋さんがあったので、イクラを買いクール便で実家に送った。野寒布岬からは、海の向こうに富士山のような形の島が浮かんでいるのが見えて、とても綺麗だった。利尻島という島だそうだ。

これからしばらくは、右手の方向に利尻島を見ながら、海沿いの道を南へ下っていくことになる。ここから先は予想はしていたが、お店も何もない通りになってきた。

何もないまっすぐな道。

何にもないけど、逆にそれがすごい綺麗なところだった。そうこう走っていると、4時近くになってきた。ぼちぼちキャンプ地を探しながら走る。キャンプ地といってもキャンプ場ではない、野宿である。

ちょうど4時半くらいに『こうほねの家』という休憩施設があったので、ここから浜に少し下りたところでテント泊しようかと思った。自販機やトイレあり、屋上が展望台になっていて、利尻富士や夕日が眺められるようになっている♪

稚内市浜勇知の海に沈む夕日。

夕日を見ながら黄昏るイージュチャリダー。『夕日が目に染みるぜ。』

最初は、浜にテントを張ろうかと考えていたのだが、こうほねの家の横に芝生のスペースがあったのでそこに張らしてもらった。車中泊しながら、車で旅をしてるおじさんもここを利用していたので、少し話をした。

この日は、7時半から8時くらいに寝た。

今日の独り言『行動次第、環境次第で、人間は大きく変わる。』

今日の移動。浜頓別町→稚内市浜勇知・・・走行距離120㎞

11日目。まっすぐな道と右手に利尻富士。

7月21日。今日は、朝3時過ぎに起床して、日の出前の薄明かりから日が昇るのを待って、朝日の写真を撮る。5時出発。

オロロンラインを走る。

海に浮かぶ利尻富士を右手にひたすらまっすぐな道を走る。

朝は店も何もない道が続いたので、朝飯は昨日、買っておいたパンを食べた。

海に浮かぶ利尻富士。

右手には利尻島。

利尻富士とも呼ばれています。とても美しい山で、まるで富士山が山に浮かんでいるようだった。北海道を回っていて、一番綺麗だなと感じたのがこの利尻富士でした。このルートを走る間、晴れに恵まれていて本当によかった♪

この日は久々にいい天気だった。天気がいいと写真も映えるので、ちょこちょこ写真を撮りながら進む。天気は晴れだが、身体は少し疲れ目だった。

昨日あまり寝れなかったせいか?昨日の疲れか?天気がいいわりには、テンションは低めだった。そういえば、昨日の晩に食べたカロリーメイトがよくなかったのか、お腹を少し下した。そのせいもあるかもしれない。まあ、それでも前に進んでいく。

北海道の牧草ロールが並ぶ。

店も何もない道だったけど、まわりには牧草地が広がっている所もあって、こういった光景がよく見られました。牛さん用の牧草をロールしたものだろうか?THE北海道といった光景ですね。

オトンルイ風力発電所。

道中見つけた風力発電の風車達で、オトンルイ風力発電所。1列に28基の風力発電のプロペラが並ぶ。まっすぐ並んだプロペラがとても美しい。

宗谷岬付近から、ちょくちょく風力発電を見かけた。海沿いで風が強い日が多いのかな。天気がいいと写真も映える。いい天気の日に風力発電を見かけると、なぜかモンキーマジックの『空はまるで』が、頭の中に流れてくる♪

空はまるで~、君のように~、青く澄んで~、どこまでも~、やがて僕ら、描き出した~、明日へと走り出すBYモンキーマジック

そんなこんなで、やっと何もないゾーンを抜け、天塩町へ入る。道中、川口遺跡というのが目に入ったので立ち寄ってみる。

川口遺跡の森の中を進む。

樹木に覆われたトトロの森のような所を進むと、

川口遺跡の竪穴式住居の復元。

竪穴式住居の復元がでてきます。カッコイイ!!

この旅で、竪穴式住居の復元をみるのは何気に3回目。北海道は縄文時代の遺跡多いんやろか!?ここの川口遺跡は、雰囲気のある森の中にひっそりと復元されているので、すごい、いい感じでした♪

道へ戻り先へと進む。セイコーマートでカツカレーを食べ、道の駅で続けざまにタコキムチ丼を食べた。カツカレーを食べた後だったので、腹いっぱいになった。時間はまだ、11時。

先へと進むことにする。

遠別町の道の駅で少し休憩をして、また走りだし初山別村に着いた。時刻は3時くらい。まだ時間が早いので先に進むことも考えたが、この日はどうも疲れていたので、この村のキャンプ場に泊まることにした。みさき台公園キャンプ場。0円。

隣接してる『しょさんべつ温泉岬の湯』に浸かり、疲れを癒す。500円。

隣接してる道の駅で牛丼定食を食べた。

そのあと、テントを張り、少し疲れ気味だったので、小1時間くらい夕寝したが、西日で暑くなってきて起きる。

みさき台公園の夕日。

外を軽く散歩し、夕日の写真を撮って、テントへ戻る。

近くに居合わせた旅人たちと軽く晩酌をした。車で旅してるおじちゃんとバイクで旅してるお兄さんとおっちゃんがいた。みんな全国各地からやってきた一人旅人やった。話の内容はあまり覚えていない。

8時くらいにお開きして、テントで眠りにつく。

この旅で一番眠りが深かった。よく寝た。

今日は独り言は、でなかった。

今日の移動。稚内市浜勇知→初山別村・・・走行距離90㎞

12日目。うまい、まかない丼雄冬の店。

7月22日。朝5時起きで、今日はゆっくりとスタートすることにした。てか、昨日は早く起きすぎたか(笑)少しバイクのオッちゃんと話をしてから出発した。6時40分出発。

旅してる人みんな独特の個性があって、話をしていても面白い。このオッちゃんもいい人やった。

国道232をママチャリで進む。

今日は海沿いの232号をひたすら南へ下る。坂のアップダウンが多い道が多かったが、昨日ぐっすり眠れたせいかそんなにきつくはなかった。身体が自転車をこぐのに慣れてきたせいもあるかもしない。『気合と根性』の例の呪文を唱えるまでもなく乗り切る。

次の町の羽幌町のセイコーマートで、朝飯を食べているうちに、キャンプ場の許可証を持ってきてしまった事に気が付いた。『しまった。やってしまった!!』

すでに20㎞近く走ってきてる。今から、アップダウンの多い坂道を戻るのも辛い。。。

考えに考えた末に、電話して、住所を聞いて郵送で送ることにした。コンビニにちょうどいいサイズの封筒がなかったので、糊を買ってノートをちぎって、封筒代わりにして、郵便局で送って事なきえました。ふぅ。

さあ、次を目指す。今日はスタートが遅かったので、なるべく寄り道せずに前へ進んだ。

しばらく走ると海沿いの道になった。ここら辺は海がきれいだった。それに、この日も晴れて天気が良かった。

海辺で、カラスとカモメに遭遇。

途中、海辺で休憩しながら間食にパン食べた。カモメとカラスにも少し分けてやった。数日前は、カラスにパンを盗られて悔しがってたのに、今日はパンを与えて、仲良くしている。

『カラス君、君もお腹すいていたんだね。』

次は小平町に入る。

道の駅おびらの向かいの海。

道の駅おびら鰊番屋に少し立ち寄った。向かいの公園でパチリと一枚。松浦武四郎の銅像と夕日をイメージしたモニュメントがある。ここら辺も海がすごい綺麗なところやった。気持ちがいい。

その後少し進んだところで、コンビニのセイコーマートで親子丼を食べる。

セイコーマートの親子丼を食べる。

これがセイコーマートの親子丼だ。レジ横のホットシェフってコーナーがあり、店内で作った温かいお弁当が食べられるのが魅力で、これがコンビニとは思えないほどのクオリティで美味しいのであった。

留萌市を越え、増毛町へ入る。

増毛町にも一つキャンプ場はあったが、まだ時間は4時くらい。まだ走れそうだったので先を目指した。

国道231号に入る。

232号から231号へと入る。

しばらく走ると登坂が多くなってきて、山やトンネルゾーンへ。いくつものトンネルを抜けると、後半はずっと下り坂だった。ここら辺は、岩肌が多く、砂浜などは全然ない感じの所。ツーリングマップに載っていたメシ屋&風呂屋に立ち寄るが、営業時間5時までで、ちょうどしまった所だった。うそ~ん、ショック!!

ここからもう少し走った雄冬ってところまで行くと食堂があると聞いたので、そこを目指す。この食堂が大当たりでした。めちゃくちゃ美味かった。豪華まかない丼を頼んだ。

雄冬の食堂で、豪華まかない丼を食べる。

うに、いくら、タコ、甘えびと盛りだくさんのっていて、最高に美味しかった。それでいて1300円。しかも大盛で頼んだのに、値段変わらず1300円にしてくれたし、この旅一番のご飯でした。頑張って走ってきて、たどり着いただけに感動モノでした(泣)最高。北海道の海産物マジ美味し!!

この後、近くの野営場へ行きテント泊をする。雄冬野営場0円。

雄冬野営場の夕日。

ここは、トイレと炊事場があるだけの簡素な野営場だったけど、夕日がとてもきれいやった。

今日の独り言『睡眠がこんなに気持ちいいとは知らんかった。幸せ。』

今日の移動。初山別村→増毛町雄冬・・・走行距離120㎞

北海道自転車1周走行記録10~12日目。

北海道の海岸線を走ってきた跡もずいぶんと伸びてだんだん北海道らしい形になってきました。チャリダー旅の感覚もだいぶつかめてきたし、身体もだいぶ慣れてきたし、最後までこのまま突っ走るぜぃ。

旅は人生を濃縮したようなもので、毎日が勉強、勉強、勉強の連続である。さすらいのお勉強野郎の北海道自転車(ママチャリ)1周旅は、まだまだ続く。