北海道自転車(ママチャリ)1周旅~③羅臼町から浜頓別町間~2011年夏の記録~

2024年2月2日

今回は、北海道自転車(ママチャリ)1周の旅の7日目からの話。この旅は苫小牧から反時計回りに自転車のみで海岸線を回り、テント泊しながら、北海道1周を目指している。昨日は、知床峠の麓まで進み、熊の生息地の中にあるキャンプ場で、一晩を過ごしたのであった。その翌朝からの話である。

7日目。レベルアップ&知床峠を越えて、網走湖へ。

2011年7月17日。昨日は、6時半くらいに寝たのでメチャぐっすり眠れた。眠りも深い。

キャンプ場に熊が来ないかと少し心配していたが、何事もなくよく眠れた。

朝3時半に目が覚めた。よく考えれば、この時間に起きても、9時間も寝たことになる(笑)こんだけ寝たら十分だろう。テントを片付けて、出発することにした。

4時半出発で、この旅一番早い出発。北海道の夏は、日の出が早いのでもう十二分に明るかったりします。日本の中でも東の端というのに加え、緯度も高いので、おのずと日の出も早くなるみたい。

『よ~し、今日も走るぜ~!!』

昨日の温泉の効果か?身体が自転車旅に慣れてきたのだろうか?筋肉痛はだいぶ治まってきて調子が良かった♪

知床峠の登坂。

知床峠、標高738m。峠まで上りがずっと続きます。ママチャリ、ギア付きにしといてよかった~。ギアを1番軽くして、よいしょ、よいしょと、少しずつ上っていきます。

知床峠の鹿。

知床峠の途中で、シカをたくさん見かけた。やっぱり、世界自然遺産になるだけあって、知床の自然は豊かなんだな^^

なんだかんだ結局、知床峠自転車を押さずに、全部こいで上りきることができた。よっしゃ!!どうやら、自転車1週間こぎ続けて、レベルアップした模様です(笑)筋肉痛も治まってきたし、一日中自転車こぐ身体に自然と適応してきたのかもしれない。

知床峠。

知床峠制覇なり!!

峠で一人のおばちゃんに『頑張ってな~』と応援してもらった。ちょっと嬉しいサプライズ^^

知床峠をしばし満喫し、先へ進む。

峠を越えれば、次はずっと下り坂なり。上りがあれば、必ず下りがある♪

『人生下り坂、最高!!』(火野正平風)

下りの道際にも、シカをたくさん見かけた。そうこう、下り坂を満喫していると、一台の車が追い越し際に、声をかけてくれた。峠で、応援してくれたおばちゃんだ。いい人や、『頑張ってるね~』って。

そんなこんなで、いい気分になり下りの道を進んでいると、突然150mくらい先に野生の熊が現れたのだった!!おお、マジか!?初めて見る野生の熊に大興奮。自転車を止め、カメラを撮ろうとするが慌てて自転車をこかしてしまった><

遠くからしか写真撮れなかったけど、それでよかったんだと思う。あまり近づくと危ないから。

知床峠で、熊に遭遇。

遠目からのからの写真をアップにしたので、少し画質粗目になってます。しかし、もう少しタイミングが悪かったら、バッティングしてたかもしれんし、程よい距離感で、遭遇できてよかった。

野生の熊を見た感想としては、なんか不気味というか真っ黒い大きな塊がのっそ、のっそと歩いていて変な感じがした。まあ、なんにせ野生の熊が見れて超ラッキーなり^^

自転車をこかしてしまったので、荷台の箱が壊れなかったか心配したが、大丈夫そうだった。熊も森の中へ帰って行ったので、先を進むことにする。

無事、峠を下りきりセイコーマートでメシとカップラーメンを買い、前で座り食い。1週間もチャリ旅してくると、ここら辺はだいぶ慣れてきます。この先は海沿いの334号を進んでいく。

オシンコシンの滝。

道中、100名瀑の1つであるオシンコシンの滝に立ち寄る。中々いい滝やった。

この日も雨で、カッパを着込んで走る。あいかわらず、ケツは痛い。334号を順調に走り、斜里町の道の駅でお昼休憩。隣の食堂でホッケ定食を食べる。美味し。腹いっぱいなり。

朝一で、難所の知床峠をスムーズに超えられたので、この日は結構走れそうだ。ちょこちょこ休憩しながらも先へ進む。今日は網走まで行くことに決めた。目指すは、網走湖のキャンプ場。

呼人浦キャンプ場にて、テント泊。

夕方の5時くらいには、キャンプ場に到着。呼人浦キャンプ場0円。

湖のすぐ隣にテントを張ってみた。めちゃ景色もよく最高の所。テントを張るころには、ちょうど雨も止んでくれて、助かった。太陽も少し顔を見せてくれました。このまま朝まで雨が降らないことを願う。

昨日今日の超早寝早起きのサマータイム形式は、なかなかよかった。朝が3時半と早いので、まず午前中にかなりの距離を稼げる。それに朝が早いので、夕刻には眠くなって眠りにつきやすい。ぐっすり眠れる。この方式はチャリ旅に、中々いいのかもしれん。

今日の独り言『5日目が筋肉痛のピーク。これを越えれば、

よし、お前のカラダをワンランクアップさせてやろう。ってな感じ。』

一般的には、筋肉痛になったら、2~3日休んで回復すると、超回復して元より強くなるといわれているが、筋肉痛でもやり続けてると、不思議と回復して強くなるパターンもあるらしいぞ(笑)

本日の移動。羅臼町→網走市・・・走行距離113㎞

8日目。久々の晴れ。電車へGO!!

7月18日。この日は朝の4時起き、雨は夜の間もってくれて、朝はかなり霧が立ち込めていた。霧の中5時に出発。

呼人浦のキャンプ場は、景色のいいところやった。

今日も海沿いの道に出て、前へ進む。ここからは、国道238号が長い間続きます。しばらく走ると、オホーツク自転車道ってのを発見したので、せっかくなので少し走ってみることにした。

オホーツク自転車道を走る。

自転車道とは、その名のごとく自転車専用の道である。途中で、キツネをみかけたり(笑)

そういえば数日前、途中で立ち寄った百均で買った反射板を荷台の箱の後ろにつけた。というのも、たま~に通るトンネルが自転車旅では怖いこと怖いこと。少しでも目立つように反射板を設置。

自転車道をぬけ、コンビニで朝飯をすます。塩豚丼を食べた。うまい。

北海道のソバ畑。

もう少し走ると、佐呂間町に入る。ちょうどサロマ湖のまわりを走る感じのルートだ。ここら辺は、広大な畑が多かった。トウモロコシ、ジャガイモ、玉ねぎ、麦、カボチャ、ソバなどなど。

北海道の放牧された牛たち。

広大な牧場で牛を飼っていたり♪広い土地で、のびのび、ストレスなく健康なんだろうな~。北海道牛乳が美味しいのにも納得。

その後も238号をひたすら走り、お昼くらいにはサロマ湖を越えて、湧別町についた。この日はすでに、80㎞くらい走ったことになる。

お昼休憩にコンビニに立ち寄ると、2人のチャリダーを発見した。しかも1人は、なんとママチャリ!!思わず近寄り声をかけてみた。一人はオッちゃんで、一人は若いお兄ちゃん。

初めてのママチャリダーとの遭遇に少しテンションも上がる。色々話をして、お互いに情報交換しあう。ドラクエでいうところの、話すコマンドで情報を入手する感じだろうか(笑)

色々話をして、なんだか少しパワーアップした気がした。

僕は、ママチャリダーに荷台に箱つけるとメッチャ楽だよとアドバイス。向こうからは、もう少し行ったところの道の駅で、列車を利用した無料の宿泊施設があることを教えてもらった。ちなみに、ママチャリの彼は沖縄からフェリーで来たそうで、これから自転車こいで沖縄まで帰る予定らしい。すごっ。

コンビニでは、豚丼を食べ先へと進む。途中、オホーツク紋別公園で休憩。あいかわらず、ケツは痛いままだ。

その後も238号を進み、興部町へ入る。目指すは、列車で泊まれる施設がある道の駅【おこっぺ】。時刻と相談しながら先へと進む。途中コンビニ、ローソンでメシ。かつ丼と親子丼を食べる。

道の駅には、ちょうど6時くらいに到着。

道の駅おこっぺの列車の宿泊施設。

道の駅の受付で、申し込みを済ませ、今日はここに泊まらせてもらうことにする。0円。

列車の宿泊施設の中。

中はこんな感じ。

この後、近くの風呂屋にいった。昔ながらって感じの公衆風呂屋でいい感じでした。熱めのお風呂でとても気持ちがよかった。風呂は最高♪

風呂から帰り、電車の中へ。僕のほかにも 何人か利用客がいて、一人のお兄さんと話をした。彼はバイクで日本1周してて、もう4か月くらい旅してるんだとか。東京からスタートして、西日本をぐるっと制覇して、北海道へ入ってきたらしい。あとは日本海側を通って、帰るそうだ。北海道を旅していると、ほんと色んな旅してる人がいて面白い。

明日の朝も早いので、早めに電気を消して、就寝した。無料の施設だから、あまり文句は言えないけど、暑いし、蚊が多くてなかなか寝付けなかった。蚊に刺されないようにポンチョにかぶるように潜って寝たのだった。

今日の独り言『行け行け行け行け行けー。

これでもか、これでもかと、前に進む中で、上昇の波に乗る事。

一生懸命にトコトンやっていくと、上昇の気流が生まれてくる。』

今日の移動。網走市→興部町・・・走行距離130㎞

9日目。台湾チャリダーと遭遇&クッチャロ湖へ!!

7月19日。4時に起床。出発前に、バイク旅のお兄さんと最後にまた少し話をした。お互いに良い旅を♪

出発は4時40分。テントを片付けないでいい分早かった。今日も海沿いの238号をひたすら進む。

しばらく走ったあとトイレ休憩に、浜に向かうと、

海の浜でキツネに遭遇。

一頭のキツネを見かけた。獲物を捕まえたようで、何か咥えながら歩いていきました。わお。

その後も先へ進み、途中コンビニ休憩していると、オッちゃんチャリダーがやってきた。チャリダー同士自然と話は、始まる(笑)

『どこから来たんですか?』と聞くと、なんと台湾から、北海道1周の旅に来てるんだと聞いて、ビックリしたのだった。海外からも北海道チャリダーしにきてんのか~、すごい人がいるもんだ(笑)しかも、日本語上手やし。いろいろ話や情報交換をした後、一緒に写真撮ったり、アドレス交換したりした。この人も、いいおっちゃんやった。

少し元気をもらい、また先を目指す。

お昼くらいには、枝幸町に突入した。そろそろ、昼ご飯食べるところを探す。この日は道中うまいことメシ屋さんを見つけ、お店に入って食べる。いくら丼大盛を食べた。メチャ旨かった。

道中、いくら丼を食べる。

この日は、午前中に70㎞くらい進んだ。ツーリングマップを確認すると、30㎞くらい先にクッチャロ湖畔キャンプ場てのがあったので、今日はそこを目指すことに決めた。

国道238号を走る。
国道238号線をひたすら進む。

あと30㎞くらいだったが、疲れてたせいか結構時間かかった。疲れつつもなんだかんだ走っているうちにクッチャロ湖のある浜頓別町に入った。コンビニでメシを買い、キャンプ場を目指す。あともう少しなのだか、なぜかサイクリングロードに迷い込んでしまう。メシが冷めるのも嫌だったので、とりあえずその場でお弁当を食す(笑)

そのあと、前からきたオバちゃんに道を尋ね、なんとかキャンプ場にたどり着くことができた。時刻は3時半くらい。クッチャロ湖畔キャンプ場200円。

コインランドリーがあったので、洗濯と乾燥機を使って、溜まっていた洗濯物を全部片づけてしまう。今日は朝に60~70㎞、昼から30~40㎞走破。これくらいが、良いペース配分なのかもしれない。

たまには落ち着いて、早くからキャンプ場につき、疲れをとるのも必要だ。それに、今日は午後の途中からなんだか眠かった。若干疲れ気味なのかも。今日は早く寝よう。

そういや今日は道中、電車で一緒に泊まったバイクのお兄さんが声をかけてくれた。こういうのは、なんだか少し嬉しい。台湾のオッちゃんもそうやし、旅人との出会いはやっぱいいもんだ。

洗濯も終わり、隣接してるお風呂屋さんに入りにいった。(500円)

クッチャロ湖に沈む夕日。

お風呂を上がってキャンプ地に戻ると、ちょうど湖に夕日が沈むところだった。

湖の畔でテントを張り、美しい夕日を眺める。最高。

6時過ぎから7時ごろの日が沈むまで、夕日を眺め、たくさん写真を撮った。

で、この日はもう寝た。

今日は独り言ではなく、呪文を紹介する『元気、元気、元気、元気、元気×エンドレス

気合と根性、気合と根性、気合と根性×エンドレス

チャレンジャー精神、チェレンジャー精神、チャレンジャー精神×エンドレス』

など、きついときは余計なことは考えずに、何かパワーが出る言葉をひたすら唱え続けると大きな効力を発揮することがある。これは、格闘家の須藤元気さんが四国のお遍路旅していた時の【幸福論】という本からヒントを得たもので、旅の間に何かマントラ(言葉)を決めて、ひたすらその言葉繰り返すという方法である。須藤さんは確か『ありがとう』という言葉をマントラにして、ひたすら唱え続けながら旅をしていた。

このマントラをヒントに僕も密かに旅をしている間、何かの言葉をひたすら繰り返すという方法を試していたのであった。僕は、一つの言葉でなく色んな呪文を使いながら、旅を進めていた。もし疲れが溜まっていたら、『ホイミ、ホイミ、ホイミ』とか『ベホマ、ベホマ、ベホマ』とかでもいいのかもしれない(笑)

それなりに効果があるので、だまされたと思って一度はぜひ試してみてほしい。


須藤元気さんの幸福論。内容は、四国お遍路旅(半分は自転車を使ってる)の様子が執筆されています。超面白い。

今日の移動。興部町→浜頓別町・・・走行距100㎞

苫小牧からの走行距離の総計も928㎞と気が付けば、ずいぶんと遠くまできました。

もう少しで、最北端の宗谷岬。ちょうど北海道1周旅の折り返し地点といったところ。

さすらいのお勉強野郎の北海道1周自転車(ママチャリ)旅は、まだまだ続く。