タイ・ラオス男一人放浪旅【25~26日目】ポープラムックジムを探して。
これは、2011年の1月から2月の30日間に及ぶタイ・ラオス放浪の旅の記録である。今回は、その旅の25~26日目のお話。
当時の年齢は29歳。もう10年近く前の話になりますが、スロウなアジアを求めて、ふらっと東南アジアを放浪していました。今回は、タイのバンコクからスタートし、当時日本のK1で大活躍していたブアカーオが所属するムエタイ道場のポープラムックジムを探しにいきます。
日本から持参していたゴン格(格闘技雑誌)の切り抜きを頼りに、道場を探して回ったのでした。果たして無事に、たどり着くことはできるのであろうか~。。。
普通に観光地を回る旅だけでは、満足できない私がたどった一風変わった旅の記録です。あまり検索需要のない記事になるかもしれませんが、暇つぶしにでも読んでいただけたらこれ幸いです。
25日目。バンコク市内で、情報収集。
2011年2月5日(土)旅の25日目。
朝起き、荷物をまとめる。7時過ぎくらい。
今日の予定、これからの予定を少し考えることにした。実は旅の最後に、もう一度ムエタイの道場へ立ち寄ろうと密かに計画していたのだった。だけど、今日は、土曜日。そして、明日は日曜日で、恐らくムエタイの道場も休みだと思う。
なので、今日はバンコクの市内を散策したり道場の下調べをすることにし、明日ムエタイ道場がある町への移動しようと思う。そういう予定で行こう。もう一晩、ここに泊まることにした。+450B。
部屋に大半の荷物は置いておいて、身を軽くし、ヒップバックで出かけた。
インターネットカフェで、情報収集。
まず、インターネットカフェを探しながら、バンコク市内を歩き回るが中々見つからない。地図を見ながら、いろんなところまわるが、結局わからなくて、トゥクトゥクのオッちゃんに聞いて、連れて行ってもらった。
『すぐそこにあるよ。』と30Bで乗せてくれた。近くのお店はやっていなくて、もう一軒回ったところにのインターネットカフェに入った。
ここで調べたかったのは、ムエタイ道場の詳しい情報だった。一応、行きたい道場は決まっていて、日本のK1のリングでも大活躍していたブアカーオが所属するポープラムックジムに行きたかった。
日本でみたゴング格闘技で紹介されていた記事が、僕には何か心に強く響くものがあった。
タイに行って、もしチャンスがあるなら訪れてみたいと、密かにこの記事だけ切り取ってバックパックの片隅に入れて、タイ・ラオスの旅をしていたのだった。ブアカーオは当時メチャメチャ強くて、好きだった選手なのに加え、この記事で見た道場の様子は、川や森の自然に囲まれて、すごい雰囲気のあるところだった。
この記事からは、バンコク市内から1時間ほどバスで走った後、ジムの練習生にバイクに乗せてもらって、舗装されていない赤土の道を15分ほど走ったところにあるという情報とポー・プラムックジムという道場の名前しかわからなかった。
なので、インターネットを駆使して、もう少し詳しい情報を仕入れようと思った。運よく日本語が使えるパソコンが1台あり、ポープラムックジムを検索した。英語表記だったが、なんとか住所を見つけられた。これで、なんとか行けるだろう。よし。
そして、今日の予定を考える。ジムへの移動は明日考えるとして、今日はその他もろもろの準備をしようと思った。乾電池や両替、お土産を見たり、必要なものを買い出しに出かけた。
デパートに立ち寄ったり、市内をぐるぐると散策してみた。お土産にいいものないかなと探すが、これといって思い当たらず、特に何も買わなかった。
ルンピニー公園。
市内を歩くのも少し疲れてきたので、のんびり休憩がてらルンピニー公園へ立ち寄ることにしてみた。
公園の中には、野外なのにウエイトトレーニング場があって、新鮮で面白かった。公園の木々に囲まれながら、外の光や風を感じながら、こんなところでトレーニングできたら心地いいだろうな。
タイって国は、中々素敵な所だな~。
タイヤのバーベルなんて初めて見たし!!(笑)
おっ、珍しい。木でできたボールで、セパタクローをやっていた。(バレーボールを足でやるような競技。)
他には、芝生で寝てる人、将棋をやってる人や、楽器を弾いている人、たくさんの人が集まって体操してる人たち、公園の遊具で遊ぶ子供達、池でアヒルのボートを漕いでる人たちがいたりと、のんびりしたとてもいい公園だった。
公園を後にし、ホテルの方へ戻る。帰りにルンピニースタジアム前の売店で、黒のムエタイパンツを1つ購入した。
ホテルに戻り、午後7時まで夕寝をする。近くのナイトバザールを見に行くがやっていなかった。とりあえず、晩御飯を食べに出かけることにした。
ご飯にオカズを2種類乗せて頂いた。ナムパオ(水)と合わせて45B。安くて、美味い。
まだ、時間は8時くらい。せっかくなので、もう一回ルンピニースタジアムでムエタイの試合でも見ていくかな!?安い席ないかと探すが、2000Bと1500Bの席しかないらしい。ちょっと高かったので結局、辞めた。
代わりに、前のムエタイショップによって、キングスのグローブやレガースを買った。道場の仲間にも、ここでお土産を購入した。なんだかんだで、この旅の資金も日本円で残り3万円ちょいになってきた。もうあんまり買い物はできないな。ギリギリ。
荷物も多くなってきたし、後はおとなしくしていよう。ホテルへ戻って日記を書く。午後9時30分。
26日目。タクシーで、ポープラムックジムを探す。
2月6日(日)旅の26日目。
朝7時過ぎに起きる。荷物をまとめるが、荷物を持って動くのも重くて大変なので、リュックは置いといてチェックアウトせずに買い物に出かけた。
靴屋を求めて。
この日の朝の目的は、両替えと靴を買う事と電話だった。なぜ靴かというと、例のゴン格の記事によると練習メニューに朝10㎞のランニングと書かれていたので、走れる靴が一足欲しかったのだ。
今朝は腹が減っていなかったので、朝抜きにした。デパートの方に行くが、靴屋はないし、デパートもオープンは10時半でまだ空いていない。両替屋も日曜で、中々やっていなかった><
公衆電話は見つかったので、日本の実家に電話をかけ、予定通り2月10日に日本に帰ることを伝えた。家の皆は変わりなく元気にしているそうだ。よかった。
ひとまず、ルンピニー公園で一休みして、作戦を練る。やはり、自分の力で安い靴屋を探すのは困難なようだった。いつものパターンだが、そこでトゥクトゥクを探すことにした。
トゥクトゥクが中々見当たらなかったので、近くにいたバイクタクシーのオッちゃんに聞いてみる。それで、連れて行ってもらった。
そこは、かなりいい感じのマーケットだった。無事靴屋を見つけ、サンダル(195B)とシューズ(520B)を買った。また、他の店で、靴下(20B)、Tシャツ(95B)、パンツ(65B)も購入。どれも、日本で買うよりもずいぶんと安かった。
ここは、現地の人たちが活用しているような場所で、こういった所は安くて便利だし、見てても面白い。荷物が増えてきたので、荷物入れ用に大きめの袋を一つ買った。
帰りは、トゥクトゥクを捕まえて、ホテルに戻りチェックアウトした。
タクシーで、ポープラムックジムを探す。
とりあえず両替えしておきたかったので、デパートがある方へ向かい探すがどこもやっていなかった。そんな道中タクシーのオッちゃんに声をかけてもらい、両替え所まで連れて行ってもらう事にした。無事両替えもでき、次はポープラムックジムを探す。
この際だから、昨日調べたムエタイ道場の住所を見せて、このタクシーのオッちゃんに連れて行ってもらう事にした。道中、話を聞くと、このオッちゃんもムエタイしてたらしく、感じのいいオッちゃんだった。
このタクシーのオッちゃんは、地元の人に色々と話して聞いたりしながらも、やっとムエタイジムにたどり着いたのだった。
が、しかしそこは、普通に町の中にあって、ポープラムックジムとは全然別のムエタイ道場だった。
そこは、ゲオサムリットジムという道場で、中の人に聞くと、どうもヒロヤ選手が3年間修業していたとこらしい。(※ヒロヤとは、K1甲子園などで当時活躍していた日本のK1ファイターで、今現在はユーチューバーでもあり、昨年末のライジンではシバターと闘ったあの選手である。)
どうも僕がネットで探してきた住所が間違っていて、ここの住所が掲載されていたようだった><2021年現在でもポープラムックジムで検索すると、唯一出てくるページがムエタイインフォさんページ。ここで紹介されている住所が間違っているので、もしポープラムックジムを訪れようと思っている人がいたら間違えないように注意してほしい。
それはさておき、ん~、どうしよう?ここの道場でもいいといえばいいのだが、できれば妥協したくない。
昨日ネットで調べた情報だとチャチュンサオ県にある事は確かだったので、それを伝えると、オッちゃんは『2000Bだったら連れて行ってあげるよ。』と言ってくれた。
ん~少し迷ったが、乗りかけた船だ。このオッちゃんに連れて行ってもらおう(笑)行っちゃえ~。
ここから2時間くらいかかるそうだ。
来た道を戻り、高速を走り、チャチュンサオ県を目指す。
途中、スタンドへ燃料補給に寄った。LPG(液化石油ガス)で走っているタクシーだった。
タクシーのオッちゃんありがとう。この旅は、ほんとタクシー系の乗り物の運転手に、随分と助けられた。
ポープラムックジムを探すのは、ほとんどがこのオッちゃん頼りだったというか、ずばりいうとオッちゃんが自力で探し出してくれた。住所も電話番号もわからない中、ゴン格の記事とチャチュンサオ県にあるという情報だけを頼りにポープラムックジムを探しにタクシーは走った。
ポープラムックジムに到着。
チャチュンサオに着くと、オッちゃんは、何度も車を降りて、地元の人に聞いて回ってくれた(感動)。ほんとこのオッちゃんには助けられました。
そんなこんなで、なんとかポープラムックジムにたどりつくことができた。まず最初の感想として、こんな所にジムがあるんや~っと驚いた。
川の上にリングがあり、サンドバッグが吊るされ、ものすごい開放的で、自然と一体化してて、もう最高だった。ちょうど夕日が、とても綺麗だった。
妥協せずに、ポープラムックジムを目指してきてよかったなと思った。
アポなしにも関わらず、『ぜひ練習させてほしいんだ』と話をするとすんなり受け入れてくれた。1日1300B、3日で3600Bと、少し高い気もしたけど、ここまで来たらやるしかない。
支払いが終わると、旅の残りの残金1800Bくらいやったけども、まあなんとかなるやろう(笑)今日から3日間、ポープラムックジムにお世話になる事になった。
ここは、練習生用の部屋が用意されており、住み込みで練習させてもらえるようになっていた。部屋には普通にエアコンもついているよう。ここポープラムックジムには、予想外に海外からの練習生が沢山きているようだった。
しばらくしていると、会長さんから『メシを食いに行くよ』と、皆を車に乗せて連れて行ってもらった。ブラジル人×3人、マルコ人、スペイン人の計5人の海外勢と一緒に、ハイラックス風のピックアップトラックの後ろに乗り込んだ。
会長とトレーナー、僕を含めた海外練習生6人の計8人で、夕ご飯を頂いた。
なんか今日は、旧暦の新年らしく、祝い的なディナーショーをやっていて、そこに参加しての食事だった。
ご飯を食べ終わると、皆を引き連れて、野外ライブみたいなイベントへも連れて行ってくれた。
少し眠たかったが、珍しいものが見れて良かった。おそらく普通に旅していたら、絶対に出会わなかったであろう光景。地元の人たちが集うお祭り的イベントのようでした。
たまたま、僕が道場を訪れたタイミングが祭りと重なったんだろうけど、急に異世界に来たようで、ちょっと不思議な感じがした。帰ってきて、シャワーを浴びて、日記を書く。24時10分。
さあ、明日からポープラムックジムで3日間のガチムエタイ修行が始まる。朝練と午後練と3~4時間ずつ、一日に2回の練習という格闘技漬けの超ハードなトレーニングが待ち受けていたのだった。
さすらいのお勉強野郎のタイ・ラオス男一人放浪旅は、ガチムエタイ修行へと続く。
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