北海道自転車(ママチャリ)一周旅~①苫小牧市から浦幌町間~2011夏の記録~

2024年7月12日

そうだ、北海道を海岸線に1周自転車で走って旅してみよう。ある時急に思い立ったのであった。時は、2011年7月。自転車旅というと、タイヤの細いロードバイクを思い浮かべるかもしれないが、私が選んだ乗り物は、な、な、なんとママチャリだった、、、(爆)

当時の歳は、ちょうど30。なので、イージュチャリダー!?

何かを始めるのに遅すぎるという事はない。思い立った時がやるときなのだ。

もう9年も前の話だが、旅をしてた時の日記を元に、記録しておこうと思う。北海道を自転車で1周しようと思っている人の参考になったり、こんな変わった旅してる人がいるんだ、と楽しんでいただけたらこれ幸いです。

2011年7月9日。名古屋発のフェリーに乗り込み、2泊3日かけて北海道の苫小牧へ向かう。

期待と不安を抱えながらも、なんとかなるさという思いと絶対やり遂げるぞという思いを固めるのであった。そうだ、心を強く持つんだ。

1日目【北海道上陸、ママチャリを買う】

7月11日、苫小牧にフェリーが到着し、北海道上陸。

まず最初におこなったのが自転車を買いに行く事であった。そう私は、自転車旅をすると決めていたのだけど自転車は持ってきていなかった。というのも、フェリーに自転車を載せるのって、別途料金が発生するらしくてそれが意外と高く5000円くらいとかでした。往復で1万円。

1万円あったら、ママチャリ軽く買えちゃうんじゃない!?そんなこんな色々考えた末に、現地で自転車を調達する計画になった。

ってことで、フェリーから降りたら、まず自転車屋探しから始めます。近くにあった(それでも1時間近くは歩いた)イオンで無事ママチャリを購入。ちょっと奮発してギア付きのママチャリにした。それと、パンク修理キットと携帯の空気入れも購入。これは、チャリ旅の必需品でしょう。

ちなみにママチャリの利点は、乗り降りがとてもしやすいので、立ち止まりやすく写真をとったりしやすい所。安価で気軽に購入できる。

また荷台やカゴがついてるので、ノーマルの状態でも荷物をたくさん載せやすい。ロードバイクだと、旅用の荷物入れを別途購入する必要があったりする。

無事、自転車も手に入れたことだし、『イージュチャリダーいざ、出陣じゃ!!』

ルートは反時計回りで、極力海沿いの道路をひたすら走っていく。今回の旅のルールは、移動は自転車のみ、宿泊はテント泊。これを基本にして、毎日走っていきます。

一日目は、235号をひたすら走った。

走り出して、1時間くらいでママチャリで走るのかなりキツイゾーっと、少し後悔(泣)しか~し、今更そんなことをいったってしょうがなし。気合と根性で前へ進みます。この日は昼から走り出して、半日で55キロくらい進んだ。

一日目にして、『チャリダー舐めてた。そして、ママチャリのチョイスやっちゃったかも!?』と痛感しました。だけど、きつかろうが、来てしまったものは、行くしかない。

人生もそうだけど、後には引けないような状況を作り出すことって、結構大事かもしれない。

夕刻が近くなったら、適当な海岸の浜にテントを張って野宿する。

と軽く言うが、一日目はまだまだ慣れていなくて野営地を決めるのにもかなり手間取った。一日目はあまり写真を撮る余裕もなく、写真少な目。

本日の移動。苫小牧→門別町・・・走行距離60キロ

2日目【自転車パンク&襟裳岬へ】

7月12日、4時起床。昨日の日記を書き終え4時半には出発。

この旅は、日が昇ればひたすら自転車をこいで前に進み、腹が減ったら飯を食って、夕刻になったらテントを張って寝るといった超シンプルな旅なのだ。

この日は1時間くらい走った所で、自転車がパンクしてしまった><ショック!!

パンク修理に取り掛かるが、バルブのナットを外すスパナがなくてうまく修理できない(泣)最初は、近くの店で工具を買うかと考えるが、まだ時間は早朝の6時半。店空いてるわけないし~。。。

ない頭を振り絞って、そうか、ひとまずバルブの所はそのままで、チューブを外せるところだけ外してパンクを直してみた。しかし、しばらく走るとまた空気が漏れているのか、圧がだんだん減ってくる。。。

空気を補充しながら騙し騙し走って、途中工具を買いたし、パンク修理を完成させる^^

なんとかパンク修理できた。

『パンクして、凹んでいても(気持ちが)しょうがなくて、それを受け止めて直して前に進むしかない』

この日は途中、道の駅で休憩していたら、カブで日本1周している青年に出会った。彼は3月から旅をしているんだとか。北海道上陸2日目にして、こんな珍しい旅人に出会うなんて、何か旅の波長が引き寄せたのかもしれないなんて思う。類は友を呼ぶ!?

パンクも直りこの日は快調に進んだ。ケツは痛かったけど(自転車を長時間走るとケツが痛くなる)、風もなく天気も良く走りやすかった。思えば昨日は向かい風が多く、余計にきつく感じたのかもしれない。

道中、カモメの大群を発見。

時折ママチャリを下りて、写真をパチリ。観光地でも何でもないスポットだけど、ゆっくり走る自転車だからこそ味わえたり、気づく事が出来る風景や生き物たち^^ママチャリ旅も悪くないんだな。

黄色いカーブの標識の下あたりにキツネがいる。

霧立ち込める襟裳岬では、キツネに遭遇。自然豊かな北海道ではちょくちょくキツネや鹿などを見かけました^^

狐の写真アップ。

襟裳岬を越え、もう少し進んだところにあるキャンプ場で、この日は泊まることにした。キャンプ場を利用する利点は、やはり安心感があるのと、水道、トイレ、洗濯やシャワーができるところがあったりする所だ。それになんといっても意外と安い所が多かったりするのも有難い^^

この日利用したキャンプ場は300円^^近くにお風呂入れるところもあって(別で300円)とても助かりました♪お風呂最高、疲れもとれる。

百人浜オートキャンプ場にて。

この日は、食堂やスーパーなどが近くになかったので夕飯は諦めて、洗濯を終わらせて床に就く。

今日の独り言(旅してる時は、普段の日常では、思いつかないような言葉が生まれてくることがあるので、記録しておく。)

『目標が一つに決まっているヤツは強い。一つに決まっているので、ブレがなく突き進める。爆発力が生まれる。来たからには、始めてしまったからにはキツクても、しんどくてもやれる。

道が決まっている以上やるしかない。ある意味キツイのなんて当たり前って気持ちが必要。キツかろうが、とことん突き進む。そういう力が必要。』

本日の移動。門別町→えりも町・・・走行距離130キロ

3日目【空腹の朝とナウマン国道】

7月13日、4時15分起床。出発の準備をして5時には走り出す。北海道の夏は日の出が早い。

この日は、朝から昆布の収穫をしている漁師さんたちをたくさん見かけた。

THE北海道といった光景ではないでしょうか。これも観光地を周るのではなく、自転車で海岸線を周るという旅だから味わえる何気ないけど、素敵な風景♪

昆布漁が多いゾーンを超えると、岩肌が多いゾーンに突入しました。

昨日の昼から何も食べていなかったので、超空腹><店など、全然見当たらない岩肌ゾーンを3時間ほど走りようやく、一見のコンビニを見つけ、食糧確保^^

午前8時40分、朝食に弁当、炒飯、イチゴクリームのパンとたらふく食べる。この先も店がない可能性があるので、念のためパンや水など食料を確保しておいた。

北海道らしい超デッカイ畑発見。一面ジャガイモが植わっています。

こっちは、一面トウモロコシ畑。北海道はデッカイドウを実感。

本州では、見た事がないような畑一枚の大きさ!!北海道ならではの、大規模な農業が行われていました。北海道で見られる風景は、一味違う。

この日は336号(ナウマン国道)をひたすら走った。地図を見て予想してた通り、民家や店など何もないゾーンが長く続いたが、食材を買っておいて正解でした。自販機すらもないんだから~(笑)

アップダウンがある道で、影のある場所も少なく、中々キツイルートでした。ペースも一気に落ち、ちょこちょこ休みながら前へ進む。

途中、登坂できつくなって、少し歩いたりもした。自転車旅3日目となると、足は筋肉痛だらけで、足も相当重かったりします、、、。少しテンション下がり気味でしたが、行くしかない。山場を何とか切り抜け、十勝川を越えたら、久しぶりの平地&町といった感じに安心感を抱いたのであった。ふぅ。すでに、今日の走行距離90㎞くらい。

町に入ったので、途中ホームセンターに立ち寄り、クッションを買いサドルに敷いてケツが痛いのを和らげる作戦を試みるも余り効果なし。。。

もう少し走ると、キャンプ場がちょうどあったので、そこに泊まる事に決めた。うらほろ森林公園500円。

北海道のツーリングマップを道中購入して、途中マップを見ながら走っていたので、ここにキャンプ場があるとか風呂屋があるぞとか見て、その日の進み具合と相談しながらキャンプ地を決めていました。北海道はキャンプ場が多いように思うので、この点はとても助かった。

【ツーリングマップ北海道】道の走りやすさやお風呂、キャンプ場、コンビニ、メシ屋、観光スポット等お得な情報盛りだくさんで、ライダーだけでなくチャリダーにもお勧めの1冊です。

4時半くらいにキャンプ場に到着。先客にチャリダーが一人で来ていました。道中初のチャリダーとの遭遇でした^^

挨拶がてら、声をかけると気さくな方で、すぐに打ち解け近くにテントを張らしてもらい、チャリ旅について色々教えていただきました。彼は私とは逆回りで時計回りに、北海道1周している最中らしい。今までにも北海道にバイクやチャリで何度も回っているとかで、かなりの強者のようでした。

僕は、チャリダーしててケツが痛いのがキツかったので、相談すると、『ママチャリの荷台に箱をつけて、バックパックを入れればいいじゃん。』と神の一声。

僕も薄々バックパック背負って、自転車こぐのは辛いぞと気づいていて、それもありかなとは考えてた所、背中を一押ししてくれました。

また教えてくれたケツ対策としては、ロードバイクとか長距離乗る人は、ケツにパッドが入った専用のズボン(スパッツ!?)見たいのがあって、それを使うとか。そうなんや~知らんかった。(この案は、今回の旅では間に合わないので頭の片隅に置いておく。)

まだ時間は午後6時くらいだったので、近くのホームセンターへ行き、プラスチックのボックスを購入し、早速荷台に設置してみました。思い立ったら即行動なり。

よっしゃこれで、肩の荷が下りた!!ボックスなら、蓋も出来るので、雨が降っても心配ないし、いい事づくめ。ママチャリならではの荷台が活かされる時がきました^^

うらほろ森林公園にて。

そのあと、キャンプ場に戻り、チャリダー先輩と近くの風呂屋に行ったり、戻ってきてスーパーで買ったメシを食べたりして、過ごす。お風呂で日焼けの跡がしみた事しみた事><

この夜は雨が降るとの事だったので、軒下にテントを張らしてもらい、床に就いたのであった。

今日の独り言『食べることって、嬉しいことで、もっと本当は大切なこと。一日しっかり動いてメシが食えたら、それだけで実は幸せなこと。腹いっぱいメシが食える。水が飲める。温かいものが食べられる。メシをもっと大事にしてかないかんかも。』

本日の移動。えりも町→浦幌町・・・走行距離110キロ

北海道ママチャリ1周旅は、まだ始まったばかり。つい先をみてしまうと1周の道のりが長いこと長いこと。。。先のことを心配するよりも、一日一日全力出しきることに集中して、毎日行けるところまで前に進むんだ。

さすらいのお勉強野郎の北海道自転車(ママチャリ)1周旅は、まだまだ続く。