沖縄本島1周ヒッチハイクの旅④~本部町⇒国頭村、ヒッチハイクでトラックの荷台に乗る
この旅は今から19年前の2003年、信州大学2年の夏を迎えた頃の話である。当時の歳は、21歳。一人旅。
旅のルートは、フェリーが付いた那覇港から沖縄本島の海岸線を時計回りにぐるっと1周回る計画だ。その際、公共の交通機関は一切使わずに、徒歩とヒッチハイクのみで、おこなうことに決めている。そして、泊まる所は、持参した一人用のテントを使っての野宿を基本とする。
この2つが、この旅の主なルールで、後は何も決めていない行き当たりばったりの旅であり、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険旅である。
さあ、どうなることやら。まあ、何とかなるっしょ~(笑)
今回は、そんな沖縄旅の4日目の記録。当時の旅日記をもとにまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。
2003年7月17日~沖縄の旅4日目~
昨日は、恩納村から本部町の備瀬のフク木並木まで進み、そこで出会った地元のオジサンと夜の海へ漁(魚取り)に出かけたのであった。詳しくは、前回の記事で⇒『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅③~恩納村⇒本部町、備瀬のフクギ並木へ!!~』
砂浜で夜を明かした後、オジさんはウツボをモリで刺したまま担いで、歩きだした。近所のオバちゃんの家へ立ち寄り、パンとヤクルトを分けてもらってそれから、オジサンの家へと向かった。
オジサンの家では、子供の話やボクシングの話、好きな長渕のCDを見せてもらったりしながら、パンを頂いた。
オジサンと朝食を食べた後、僕は一人空き家に戻った。
ここ数日睡眠時間がかなり少なかったはずなのに、全然眠くならない。これは、なんとも不思議だった。この日もなんだかんだで、2~3時間くらいしか寝てないかも?
そしてこの時、ここに来れて感謝の気持ちでいっぱいだった。旅の中で、色んな人と出会い、それらが少しでも違っていたら、ここには来れてなかったであろう。。。
思ったことは、自分の信念をしっかり持つこと、持ちぬく事が大事な気がする。そうすれば、おのずとミラクルが起こり道は開ける気がした。
そんなことを考えながらも、身支度をし、オジちゃんに置手紙を残し、ここを発つ事にした。オジちゃんは、『よく眠れるよ』と睡眠薬をくれたが、薬は使わずに置いていった。
これ以上長くいると、離れられない気がしたので、昼寝(朝寝)せずに、出発した。
昨夜、晩御飯を食べた前の食堂の人たちにもお礼を言おうと思ったが、店は閉まっていた。少し名残惜しいながらも、本部の備瀬を出発したのであった。
通りすがりにあった近くのお土産屋さんで、シーサーのキーホルダーを買った。
琉球の心、しっかり残しておきたいな。と思った。
ヒッチハイクで、トラックに乗る
この日は、なんだか荷物が軽く感じた。大きな道(505)まで、ヒッチせずに歩いていき、505に出てから、ヒッチハイクを開始したが、中々車は止まってくれなかった。
でも、よく考えれば、ヒッチハイクって、虫のいい話だ。ただで、見ず知らずの人に乗せてもらおうという考えなんだから。。。なんて少し思いながらもヒッチハイクを行うが、一向に車は止まってくれなかった。
そんなこんなでしばらく歩いて進んでいると、やっぱり足が痛くなってきた。道中見つけた慰霊がある所に立ち寄ったり、海に出てみたりしながらも進んでいく。
車通りも少なく、ヒッチハイクをしても中々車は止まってくれなかった。
今帰仁村に入ったあたりで、いつものスケッチブック作戦に変更する事にした。スケッチブックに505号と書き込み、しばらく走ってくる車にアピールしていく。
しばらくやっていると、あるトラックが止まってくれた。
よっしゃ~!!俺は、嬉しさのあまりトラックに走って近づいて行った。
女の子二人組で、『前に、乗る?』と聞かれ
『後ろで、いいっすよ^^』と俺。
そんなこんなで、トラックの荷台に飛び乗った。この時だけは、ホント疲れを忘れる。
トラックの荷台にヒッチハイクで乗っていくなんて、憧れのシチュエーションである。そして、テンションも上がる。少し走った所のスイカ屋さんの工場まで、連れて行ってもらった。
そしたら、『スイカ食べて、食べて』と、スイカを分けて頂いた。2つも、もらっちゃった。
ここのスイカが、メチャクチャ美味かった。こんなに甘くて美味しいスイカは、生まれて初めてだった。種まで食ったよ(笑)
僕は、お礼にと出荷の段ボールをガムテープで止めるのをお手伝いさせてくださいと少しやらせてもらうが、ヘタクソで『あんた、もういいよ』と断られたのだった(爆)
それはともかく、ありがと~。スイカ屋さんの皆さんにお礼を言い、次を目指す。
通りで見つけたコンビニで、靴下などの荷物を実家に送った。前回靴を送って、スポーツサンダルを履いていたので靴下の必要もなくなっていた。少しでも荷物を軽くするための、荷物を減らす作戦だ。
(ここの工場のかはわからないけど、沖縄県産のスイカのリンクを発見したので貼っておきます。日本一早いスイカの出荷産地らしいです)
2台目のヒッチハイク。
さんぴん茶を買い、歩きながら、ヒッチハイクを始める(車が来たら、親指を上げて合図)。すでに、かなり歩き疲れていたが、しばらく続けていると1台の車が止まってくれた(涙)
オバちゃんは、『これから仕事で、名護の方へ行くけど、その後で北の方にも行くよ~』との事で、乗せてもらうことにした。オバちゃんは、どうも病院へ輸血の血液を届けているらしく、名護市の病院へ寄ってから、北の方へと行くらしい。
そんなこんなで車に乗せてもらっている道中、なんとお弁当まで頂いてしまった。
自分は、何でも素直にハイハイと、言われたものをもらっちゃう癖がある。。。
オバちゃんの弁当までもらってしまって、後から断ればよかったな~と少し後悔した。しっかりと、自分の気持ちを考えよう。
途中海沿いの道を少しそれたけど、沖縄北部のヤンバル地方の大宜味村の芭蕉布会館がある辺りまで乗せてきてもらった。
今回は、お互いの連絡先を交換しあうことができた。この方が、やっぱり気持ちがいい。これがないと、なんだか空しくなってしまうような気がした。
芭蕉布会館辺り散策
芭蕉布会館へ行き、その奥にある七滝を目指した。道中会ったお店のオバちゃん達がとてもいい人だった。
『旅人かい?』『はい、ヒッチハイクで来ました。』などと、何気ない会話をする。
結構キレイな滝だった。滝まで向かう道中の景色も中々良かったしいい感じ。
帰りに階段が続く鳥居を見つけ、雰囲気が良かったので、なんとなく登ってみることにした。
かなり足にきたが、なんとか登りきった。
地図を見て、今日の野宿先の目星をつける。もう少し北に行ったところにあるオクマビーチを目指すことに決めた。
山を下り、海沿いの道を歩いて北上する。
けれど、足がかなり辛い。疲労の蓄積がかなり溜まっているようだった。今日は、早く眠らねばと思う。
オクマビーチへ
大宜味村から国頭村に入り、少し進んでいくとオクマビーチに着いた。散策するとプールを発見したので、入ることにした。とりあえず、一泳ぎ。
泳ぎは、軽くすまし今日の寝床とメシ屋を探すことにした。メシ屋は、少し歩くとすぐに見つかった。
みそじるというものを頼んだ。具が沢山入ってて、レタスが乗っていたのが、新鮮だった(味は微妙)。
晩飯をすまし、ビーチへ戻り、テントを張っていいか確認すると、どうもダメらしい。それでオクマビーチから、だいぶ離れた辺りにテントを張ることにした。
多くのビーチが、ホテルに占領されているのが、『なんだかな~』と少し不満を感じたのだった。ビーチって本来、皆のものだよね。。。
海に沈む夕日が、とても綺麗だった。
先ほどは、少し不満を言ってしまったが、ホテル側のビーチの方へ向かい明かりのある所で、今日の日記を書くことにした。
日記を書いていると、今日ヒッチハイクで乗せてもらったオバちゃんから電話があった。
『メシはちゃんと食ってくださいよ~』『どこまで、行きました?』とか、色々と親身に聞いてくれた。
いい人なんだな~。人に優しくされた。
よ~し、明日も頑張るぞ!!
連絡先、交換しておいてよかった~。
やっぱり友達は、財産だ。『人間の財産っていうのものは、お金じゃなくて、友達。』
昨日のオジちゃんの言葉が身に沁みた。
オバちゃんは、友達でもなく今日初めて、たまたま会っただけの縁なのに、、、(涙)
いろんな所に友達を作ること。そんな80年を過ごしたい。本当の友達を作ろう。人に優しくしよう。と思った。沖縄の人であろうと、なかろうと、皆と。
日記を書き終えテントに戻る。暑かったので、テントの外側のシートを外してみることにした。その方が涼しいと思ったから。思いついたら、やってみればいい。
そんなこんなで、床に就いたのであった。この日は、よく眠れた。
♪人に優しくされた時 自分の小ささを知りました
あなた疑う心恥じて 信じましょう 心から♪BY モンゴル800~あなたに~
4日目まとめ
本日の移動・・・本部町備瀬⇒国頭村オクマビーチ辺り
移動距離・・・50kmくらい
ヒッチハイク・・・2台
少しづつヒッチハイクにも、慣れ始めてきた4日目。最初は中々手を上げることができなかったが、旅の4日目ともなるとそんなに抵抗なく、ヒッチできるようになってきた。そんな中ヒッチハイクで、スイカ屋さんのトラックの荷台に乗せてもらい感動。そして、頂いたスイカの美味さにも大感動。
そして、次に乗せてもらった血液を運ぶオバちゃんには、お弁当まで頂いてしまった。ほんと、皆様の優しさに助けられて、この旅は進んでおります。感謝。
今回の旅は、公共交通機関を一切使わずに、歩きとヒッチハイクのみで、沖縄本島を海岸線に時計回りに1周するというもの。宿泊も公共の施設を使わずに、基本テント泊しながら、周る予定だ。
特別どこを観光するという訳でもなく、朝起きたら、ただひたすら海岸線沿いに歩きとヒッチハイクで進めるだけ進んで、暗くなったら適当な所を見つけて、テント泊するという超シンプルな行き当たりばったりの旅。
現在旅は4日目が、終わったところ。果たして、明日には何が待っているのやら~?
沖縄本島1周、さすらいの馬鹿野郎の冒険旅は、まだまだ続く。
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