沖縄本島1周ヒッチハイクの旅⑥~ヤンバルの大自然を満喫、INタナガーグムイ~
この旅は今から19年前の2003年、信州大学2年の夏を迎えた頃の話である。当時の歳は、21歳。一人旅。
旅のルートは、フェリーが付いた那覇港から沖縄本島の海岸線を時計回りにぐるっと1周回る計画だ。その際、公共の交通機関は一切使わずに、徒歩とヒッチハイクのみで、おこなうことに決めている。そして、泊まる所は、持参した一人用のテントを使っての野宿を基本とする。
この2つが、この旅の主なルールで、後は何も決めていない行き当たりばったりの旅であり、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険旅である。
さあ、どうなることやら。まあ、何とかなるっしょ~(笑)
今回は、そんな沖縄旅の6日目の記録。
当時の旅日記をもとに、まとめてみました。ここから、旅日記も2冊目に入ります。事実は小説よりも奇なり。暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。
2003年7月19日~沖縄の旅6日目~
昨日は、沖縄本島北端の奥を越えて、伊部まで進み、満天の星空の下とある砂浜でテント泊したのだった。
今日は、そんな砂浜から、話は始まる。
朝の5時半に起床。朝日は、今一つ見えなかった。
荷物をまとめ出発する。近くの商店で、ちょっとしたゴミを捨てさせてもらった。
まずは、本通りでるまで、歩いて進んだ。道はかなりのアップダウン。いや、ほとんどがアップ。むしろ、俺がアップアップ。。。
なんとか、本通りまで出て、歩いて進んでいくが、車通りがかなり少なかった。マジで、少ない。これは、ヤバイかもと、俺はピンチを笑っていた。やべ~、って(笑)
ヒッチハイク1台目
少し進んだ辺りから、親指を上げるヒッチハイクの動作を始めた。心配をよそに始めてから、3台目の車で、オジちゃんオバちゃん組が止まってくれた。有難い~。
距離は短かったけど、助かった。しかも、ジュース(フルーツミックス)を2本も頂いた(涙)。ラッキー、そしてありがとう!!
タナガーグムイの植物群落
車を降りてからは、4kmくらい先にあるタナガーグムイの植物群落を歩いて目指した。
ここは、今までに旅先で出会った人からお勧めだと聞いていたので、寄ろうと思った。タナガーグムイへ向かって歩いている間に、通り過ぎた車は2~3台くらいだった気がする。もしかすると1台も通ってなかったかも?
そんなこんなで、タナガーグムイに到着すると、想像以上の所でビックリした。売店なんかも1つもなく、そこは、大自然の中にポツンと現れた感じだった。
バックパックを下ろし、早速ロープを下っていく。(上の写真の奥が、急斜面になっている)
こういう所大好き俺。最高。
そこを下りる途中に、亀にも遭遇した(笑)
ロープを伝って、崖を下っていくと、そこには最高の景色が広がっていた。
これが、タナガーグムイか~。大感動。
3日目の備瀬のフク木並木に続き、もう一つ最高の場所を見つけたのだった♪
ここでは、水浴びをして、コンタクトも着けようと、荷物を取りに戻った。
そして、まずは水浴び(もちろん一人で)だ。自分以外に観光客は誰もいなかったので、気兼ねなく水浴びした(笑)体を水洗い洗車である。水は、綺麗やし、とにかく最高だった。
しばらくすると、掃除をしにたくさんの人がやってきた。
どうも役所の人たちらしく5周年(5年おき?)で掃除に来たそうだ。そのオジサンに聞くと、ここで、米兵がターザンごっこして、数人が死んでいるんだとか。水が氷のように冷たいから心臓麻痺で、、、。
オジサンの話を聞く前から、気になっていターザンロープだったけど、どうしよう。。。
それから、俺はかなりビビってしまっていたが、
『ここまで来たら、飛ぶしかないっしょ~。死んだらゴメン。』
と、大学の友人にメールをした。
『うりゃ~、飛んじゃえ~』ジャボーン!!
怖かったので、すぐに岸にあがった。
そして、満足してタナガーグムイを後にしたのだった。
※注意・・現在では、水難事故防止のために、タナガーグムイへは、立ち入り禁止となっているそうです。
そこからは、またしばらく歩いて進んだ。そして、安波を通ったあたりの小学校で、子供たちが遊んでいるのに遭遇した。
『こんにちは~』と声をかけると、子供たちは、カブトムシやノコギリクワガタ、ヒラタクワガタなどを見せてくれた。
ヒッチハイク2台目
そして、またしばらく歩いて進んでいく。ヒッチハイクしようにも、車が全然通らないのだった。30~60分くらい歩いても、僕が進む方向には1台も通らなかった。通るのは、反対方向ばっか。やべ~。。。
そんなこんなで、そうとうくたびれた所に、1台車がやって来て、右手を上げると止まってくれた(涙)。
なんと、この旅初の1台目でのヒッチハイク成功である^^
今回乗せて頂いたのは、千葉から来た観光のカップルさん(夫婦)だった。すごいいい奥さんで、こんな奥さんだったらいいだろうな~っと心で思ったのだった。
国頭村から東村へと入り、車は進んでいく。
慶佐次湾のマングローブ
この夫婦には、慶佐次(げさし)湾のマングローブまで乗せてもらった。この人達もすんごい、いい人だった。
ここのマングローブには、たくさんの生き物がいた。カニ、土の上を飛ぶ魚、エビ、タニシ、ヤドカリなどなど。
一面に白いカニが、ウジャウジャしていた。すげ~、感動。
後、マングローブ。子供たちは、カニを取って遊んでいた。乗せてもらった夫婦も網を持ってきて、カニを捕まえていた♪
すぐ目の前にあったお店でパイナップルを試食させてもらったら、メチャ美味だった。甘い!!即、買う事に決めた。実家にも送って、今自分が食べる分も買って食べた。
そして、腹ごしらえ。途中で買っておいたおにぎりを食べて、休憩する事にした。少し休んだ後、休んでいる暇なんてないぞと思い、前へと進んだ。
少し休んだせいか、まただいぶ歩けるようになった。ここら辺も車の通りは、かなり少ない様だった。
しばらく歩いていると、海沿いに出た所で犬の散歩しているオバちゃんに出会った。
オバちゃんは、『前にも自転車できて、ここにテント張って泊まっていったよ~』『ここはいいけど、那覇の方は危ないよ。ヤンバルの人はいい人だよ~。』と教えてくれた^^
ヒッチハイク3台目
そんなこんなで、また進んでいく。疲れもピークに近づいてきたので、ヒッチハイクを開始する事にした。
またもや、3台目くらいで、車は止まってくれた。今度は、オジちゃんオバちゃん組だった。
ほんと皆いい人だった。ポテトチップスや黒糖パンを頂き、闘牛場がある所まで乗せてくれた。
闘牛場には、一人の女の子がいた。闘牛場を1周し、声をかけてみる。色々と情報交換をした。
こうやって旅先で話しかけるのもドラクエで、話すコマンドを押すようなイメージで、いろんな情報を仕入れていくのだった(笑)
聞いたところによると、今日は闘牛はやっていないらしい。なんかすぐ外で明日、車のレースがあるらしく、その練習ですごい音がしていた。
闘牛場では、特別変わったことはなく、そろそろ夕刻が近づいてきたので、今日のキャンプ地を考えることにする。地図を見て、近くのビーチを探すと、少し戻ったところにビーチがあったので、そこに泊まることにした。
ヒッチハイク4台目(逆ヒッチ)
ビーチを目指して、歩いて進んでいく。上ったり、下ったりしながら、進んでいると、ふと1台の車が止まってくれた。
そしたら、オジちゃんは『乗せてやるよ~』って^^俺は、ヒッチハイクの合図を何もしていないのに、奇跡的に乗せてくれることになったのである。
なんていい人なんだ~(涙)。
このオジちゃんからは、【いりゃりば、ちょ~で~】という言葉を教えてもらった。どうやら『出会ったら、友達』というような意味だそうだ。
だから、沖縄の人は皆、初めて会ったのにも関わらず、こんなに良くしてくれるんだろうか?
しかし『いちゃりばちょで~』なんて、いい言葉なんだ。
島唄チャンプルーツアー
そして、ビーチ付近で降ろしてもらい、オジちゃんとアドレス交換した。
ビーチを目指す途中に、出店があってそこでオバちゃん達と少し会話をし、モチを買った(明日の朝飯)。
その後、夕飯を食べに近くの食堂へと立ち寄った。なんか今日は30人の予約が入っているらしくて、メニューにはたくさん書いてあるはずなのに、ソバしかできないらしい。。。
まあ、いいか~。そんなこんなで、ソーキそばを注文して食べた。
お店の壁の張り紙を見ると、島唄ツアーみたいのが張ってあった。しかも、日付は今日。行きたいな~と思いつつも、開催場所ここから遠いのかな~?と、考えていた。
そして食堂を後にし、ビーチへと向かった。
ビーチに着くと一人のオバちゃんが声をかけてくれた。それが、あの食堂で見た張り紙の島唄ツアーの事を教えてくれたのだった。しかも、話によるとその会場はすぐ近くらしい。ラッキー。
これは、行くしかないでしょ~。よっしゃ!!
時刻はすでに午後7時だったが、とりあえず旅の日記を書いてそれから、向かうことにした。そんなこんなしていたら、時刻は7時40分。
教えてもらった道を進み、郵便局を越えて、まっすぐ進み、少し左に入った所に会場があった。
最初、入るか入らないか戸惑ったが、ここまで来て、帰ってどうする?入るっきゃないっしょ。というか、気づいたら入っていた(笑)
そこでは、三線と太鼓を使って、沖縄らしい音楽が奏でられていた。
最初は、遠慮しがちに後ろの方で立ってみていたけど、途中から前の方に座って見せてもらった。最後の方には、皆で踊ったりしていた。
自分は踊らなかった。踊りは、どうも苦手だ。でもやってしまえばいいのかも!?
一番最後に、別の人たちで1曲、三線を弾いて終わった。なんか動物の動きを真似する曲だった♪
『この唄はいつも、上手くいかないんですけど、楽しいんですよね~』と言っていた。
続けて『ここ久志の辺りでは、ジュゴンが生息している地域。ここに今、米軍基地を持ってくる計画があるらしい。ここを米軍基地ではなく、ジュゴンの里にと祈りを込めて、ジュゴンの里というお酒を作りました。』
そのようにも言っていた。
帰りに800円でお酒を買った。お酒は、明日にでも実家の方に送ろうかと思う。
そして、ビーチに戻り、テントの中で床についた。この日もぐっすり眠れたのであった。
6日目のまとめ
本日の移動・・・国頭村伊部⇒名護市久志
移動距離・・・40kmくらい
ヒッチハイク・・・4台(内1台は、逆ヒッチ)
沖縄の旅も今日で6日目。まずは、タナガーグムイ。沖縄の秘境といった感じで、大自然を満喫した。続いて、慶佐次のマングローブ。ここでは、生き物がいっぱいだった。この日は、ヤンバル地方の自然の豊かさに大感動したのであった。
昨日に引き続き、車通りはかなり少なかったが、ヒッチハイクは順調に車を止める事ができた。中でも最後に、逆ヒッチで乗せて頂いたオジちゃんから聞いた『いちゃりばちょ~で~』という言葉が、心に響いた。
その後は食堂で、見つけた張り紙の島唄ツアーへ飛び入り参加したのだった。
今回の旅は、公共交通機関を一切使わずに、歩きとヒッチハイクのみで、沖縄本島を海岸線に時計回りに1周するというもの。宿泊も公共の施設を使わずに、基本テント泊しながら、周る予定だ。
特別どこを観光するという訳でもなく、朝起きたら、ただひたすら海岸線沿いに歩きとヒッチハイクで進めるだけ進んで、暗くなったら適当な所を見つけて、テント泊するという超シンプルな行き当たりばったりの旅。
現在旅は6日目。果たして、明日には何が待っているのやら~?
この旅は、皆さまの優しさがあって、成り立っている旅であるように思う。
沖縄本島1周、さすらいの馬鹿野郎の冒険旅は、まだまだ続く。。。
続きは、こちら⇒『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅⑦~米軍基地のお祭りへ連れてもらう』
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