沖縄本島1周ヒッチハイクの旅⑪~ひたすら歩き、感動のゴールへ~
この旅は今から19年前の2003年、信州大学2年の夏を迎えた頃の話である。当時の歳は、21歳。一人旅。
旅のルートは、フェリーが付いた那覇港から沖縄本島の海岸線を時計回りにぐるっと1周回る計画だ。その際、公共の交通機関は一切使わずに、徒歩とヒッチハイクのみで、おこなうことに決めている。そして、泊まる所は、持参した一人用のテントを使っての野宿を基本とする。
この2つが、この旅の主なルールで、後は何も決めていない行き当たりばったりの旅であり、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険旅である。
さあ、どうなることやら。まあ、何とかなるっしょ~(笑)
今回は、そんな沖縄旅の11日目の記録。当時の旅日記をもとにまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。
7月24日(木)ファミリー宅を出発
朝5時に起床。
ファミリーのお父さんと散歩をした後、身支度をし、手紙を家族と子供に残して、最後に記念に写真を撮って出発した。
お父さんから、那覇マラソンの記念Tシャツを一枚頂いた。早速着さしてもらった^^そして出発する前に、奥さんから1冊の本を頂いたのであった。
『ライフワークで豊かに生きる』著 本田健
『この本があなたの役に立つかもしれません。自分の力を信じて未来を開いてください。応援しています。』と中にはメッセージが添えられていた(涙)
お父さんに近くの弁当屋まで送ってもらい、弁当を奢ってもらった。
昨日は、ウコンの錠剤もらったり、今朝はビタミンCのヤツもらったり、元気の出るドリンクもらったりもしたし、ここのご家族にはすごいお世話になった。本当にありがとう、感謝してもしきれないくらいだ。
ファミリーの家に泊めてもらった事で、疲れも完全にとれた。今日は、歩くぞ~!!
今日は那覇を目指すことに決めた。沖縄本島1周旅も最後の区間となってきた。最後は、ヒッチハイクなしで、徒歩のみでひたすら歩いていこうと思う。
昨日ビーチで出会った旅人のNさんから昨晩に連絡があって、今日那覇に向かうそう。どこかで会えたらいいな~と思う。
平和記念公園へ
快調に歩き進め、疲れはなかった。5~6㎞進んだ辺りで平和記念公園に立ち寄ることにした。
朝の9時くらいには着いた。いろんな地域の慰霊碑があった。
資料館では、戦争のむごさ、悲惨さ、悲しさを感じた。途中なんか、すごい恐くなったが、実際に戦争下にいた人たちの事を思えば、何でもない。
戦争の体験談を記した書物があり、読んでいると涙がこぼれそうになった。。。
平和記念公園を後にし、前へ進んだ。途中なぜか犬に懐かれて、ついてきたりした(笑)
パパイヤ売りのオバちゃん
通りすがりで見つけた道端のパパイヤ売りのオバちゃんと仲良くなった。
そこで、休憩し、お茶を飲ましてもらい、卵をもらった。アヒルの卵と普通の鶏の卵と2つもらった。アヒルの卵は、殻が少し硬く、黄身がちょっとヌルヌルしていた。
パパイヤを試食させてもらい、美味しかったので買うことにした。今すぐ食べる分と、実家の分も買って送った。そしたら、オバちゃんは卵を6つくらい袋に詰めてくれて、他にも飴と、お茶をペットボトルに入れてくれる大サービス(笑)
そんなこんなで、しばらく休憩させてもらっていると、一人のオバちゃんが買いに来て、話を聞くと、僕の出身と同じ三重県出身らしい。人のいい沖縄に魅せられて移住してきたそうだ。
沖縄に来て4か月目だと言っていた。記念にと僕が写真を撮っていると、オバちゃん達は、ノリノリで一緒に写真に写ってくれた(笑)
ほんと、皆いい人達なんだ^^
魂魄の塔 、ひめゆりの塔へ
休憩もできた所で、また先を目指す。
歩いていると、魂魄の塔というのがあって、なんか気になったので立ち寄ってみた。塔の前の売店のオバちゃんと昼飯を食べた。今朝、買ってもらったお弁当と先ほど買ったパパイヤを食べた。
この売店では、お花を買い、 魂魄の塔にお供えした。ここには、日本人も、米兵も、戦争で死んでいったいろんな人が埋まっているらしい。
俺は、その人たちの分も頑張るぞ。やってやるぞ~。と、そういう気持ちで、そこを後にした。
そこからもう少し歩くと、ひめゆりの塔があり、そこにも入った。
ここでも、戦争の悲惨さ、悲しさ、恐さなどで、また泣きそうになった。もう絶対こんな戦争してはいかんと。
ここの売店では、『琉球魂』『島唄』『海人』のTシャツを1枚ずつ買った。『海人』の帽子も購入。あと、ニガウリのキーホルダーをお土産に買った。
少し歩くと、ガラス村があって、ここにも入った。ここでも、お土産をいくつか買った。
無の境地で、ひたすら歩く
そこからは、寄り道せずにノンストップで歩いた。休憩や昼飯(吉野家)以外は、ひたすらに歩いた。
そう、この日はヒッチハイクなしで徒歩のみで那覇市まで行こうと決めていたのだ。30㎞は、確実に歩いたと思う。ほとんど写真も撮らず、無我夢中でひたすら歩いた。
今日は途中で、9日目に公園で仲良くなった小学生のK君から電話があったり、泊めてもらったSさんファミリーから電話があったり、4日目にヒッチハイクで乗せてもらった血液を運ぶオバちゃんからの電話があったりもした。
一人じゃないんだと、実感した(泣)
那覇で、旅人と合流
そんなこんなで、ひたすら歩き続け、夕方5時過ぎに那覇市に到着。
旅人のNさんと連絡を取り合流する事に成功。
その後Nさんはスキューバダイビングで知り合ったカップルと一緒に晩御飯を食べに行く予定らしく、一緒にいく事になった。街の中を4人で進み、市場のある方へと向かった。
市場へと向かう那覇の街は、この旅で周ってきた田舎とは全然違い真反対の所で、久々に人の多い所、忙しい所に来たなという感じがした。なぜだか、俺のテンションは一気に下がっていった。何でやろ?疲れのせい?それとも都会の街は、俺には合わないのか?Nさんのせいか?いや、それは絶対ない。。。
いろんなお店の前を通り、時々お店に入ったりしながら先へと進む。
市場では、4人で座り、一人1000円のコースを頼んだ。ゴーヤ、角煮、ミミガー、スープ(コーンポタージュ風)、魚の揚げたヤツのあんかけ等を食べた。シークワーサーのジュースも頼んだ。
昨日海で出会った旅人に、その旅人が出会ったカップルと自分の4人。なんだかこの4人でご飯食べているのが、とても不思議な感じだった。ご飯を食べ終わり、帰りにゴーヤ茶を買ったら、『おまけに天ぷらをやるよ』と、そしてパンみたいの(揚げたヤツ)を2つくれた。
この後は、Nさんが泊まる宿に戻り、部屋の片隅でこっそり泊まらせてもらった。
さあ、明日は最終日。ゴールは沖縄に上陸したフェリー乗り場だ。そこで、沖縄本島1周ヒッチハイクの旅は、終わりを迎える。
7月25日(金)感動のゴール~那覇新港へGO!!
朝6時過ぎに起きた。旅をしている中では、少し遅めの起床だったが、朝一人で起きている間に、日記を書き留めておいた。
そして出発の準備をし、ゴールの那覇新港を目指す。宿を出るときに、すんなり出れるか心配だったけど、余裕だった。そしてNさんも一緒に那覇新港のゴールまで、歩いて向かってくれた。なんていい子なんだ。
勇者ろんは、パーティーを一人増やした。そんな感じだった(笑)
そうそう、この日はこのあいだ連絡をくれたヨシリンも、ちょうど沖縄にフェリーで到着する予定らしい。それも、また楽しみだ。
那覇新港は、予想よりもけっこ~遠かった。歩きながら色々と話をした。そうとう歩いて、やっと見覚えのある通りに差し掛かってきた。
那覇新港へ行く前に通りすがりに合った小学校に立ち寄って、大きな滑り台の上で休憩した。そして、いざゴールへと向かう。
那覇新港に少しずつ近づいていく。ワクワクドキドキしながら、ついにゴールが目の前に。
旅の終わりは、なんだか寂しいものだ。
でも色々な出会いがあり、別れがあり、色々な経験ができ、結果、最高に良かったと思う。また普通の生活に戻るのがすごい恐い。そんな風な事を思った。
そして、ちょうどゴールに着いたのと同時くらいに、ヨシリンから『沖縄に着いた!!』とメールが来た。グッドタイミング。時刻は、9時40分だった。
そして、ヨシリンと合流した。
『アポなし大体で、ピッタリ時間合うなんて、やっぱスゲー俺ら!!』とヨシリンとお互いに言い合ったのだった。まさに、奇跡。
そして、ゴールの瞬間を3人で記念撮影。そして、冒険のパーティーは3人となった。
実は、この後も沖縄の旅は、もうしばらく続くのであった。ここから先は、『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅~番外編withヨシリン~』として、記していこうと思う。
ここからは、馬鹿1人から馬鹿2人になり、さらにパワフルに楽しい旅となる事は間違いなし!!この馬鹿野郎たち二人の先には、いったい何が待っているのやら~。。。
若かりし頃の、愛すべき馬鹿野郎たちの冒険旅に、こうご期待。
11日のまとめ
本日の移動・・・具志頭村(現在は八重瀬町)⇒那覇市
移動距離・・・30㎞くらい
ヒッチハイク・・・0台、(ファミリーのお父さんに近くまでは、乗せてもらった)
沖縄の旅11日目は、具志頭村のSさんファミリーのお宅からスタートした。久々の布団での眠りによって、溜まっていた疲れも一気に吹っ飛んだ。癒しの宿(Sさんファミリー)によって、HP(ヒットポイント)は全回復である♪
そして、この日はヒッチハイクなしで歩きのみで、ひたすら歩いた。
午前中は、平和記念公園、 魂魄の塔 、ひめゆりの塔へと立ち寄り、戦争の悲しい歴史を痛感した。こんな戦争2度とあってはいけないと強く思った。
その後パイナップル売りのオバちゃん所で休憩した後は、ただひたすらゴールの那覇市に向かって歩いた。
那覇市ではNさんと合流し、カップル旅人と一緒に市場へご飯を食べに行った。
こっそりNさんの宿に泊めてもらい、翌朝ゴール地点である那覇港新港へNさんと一緒に歩いた。ゴールに到着すると、奇跡的なタイミングでヨシリンも那覇港へフェリーで到着するというシンクロニシティー!!
こんな感じで沖縄本島1周ヒッチハイクの旅は、感動のゴールを迎えたのであった。
そして、ゴールしたと同時に、ここからヨシリンと繰り広げる馬鹿野郎たちの冒険旅が、再び始まるのだ。旅の記録は、『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅~番外編withヨシリン~』へと、続く。
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