沖縄本島1周ヒッチハイクの旅①~那覇市→読谷村、ひたすら歩く~

2024年1月31日

沖縄で見つけた白いカニ

今から19年前の2003年、信州大学2年の夏を迎えた頃の話である。当時の歳は、21歳。一人旅。

旅のルートは、フェリーが付いた那覇港から沖縄本島の海岸線を時計回りにぐるっと1周回る計画だ。その際、公共の交通機関は一切使わずに、徒歩とヒッチハイクのみで、おこなうことに決めている。そして、泊まる所は、持参した一人用のテントを使っての野宿を基本とする。

この2つが、この旅の主なルールで、後は何も決めていない行き当たりばったりの旅であり、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険旅である。

さあ、どうなることやら。まあ、何とかなるっしょ~(笑)

今回は、そんな沖縄旅の上陸1日目の記録。当時の旅日記をもとにまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。暇つぶしにでも、読んでいただけたら幸いです。

2003年7月14日~1日目~沖縄上陸。

那覇の港にフェリーが到着し、ついに沖縄本島に上陸だ。

まずは、市街地の方へと向かって、物資を少し調達しておくことにした。中心地の方は、琉球っぽいものはあるものの本土とあまり変わらない感じがして、少し都会な所だった。

とりあえずコンビニで、歯ブラシとさんぴん茶などを買った。通りすがりの郵便局でお金を下ろそうかと思うが、まだ空いていなくて、『いいやお金はまだあるし、なくなりかけたら、また下ろそう』と北を目指すことにした。

ところが、いきなり道を間違えてしまう><

とりあえず、海辺に出たいなと思い道を進んでいたのだが、なんか工業地帯みたいな所に入ってしまって、行き止まりになってしまった。海辺まできたのは来たんだけど、そこから先は米軍基地の敷地らしく、通れなさそうな感じ。

強行突破も考えたけど、流石に捕まったり、銃で打たれたりしたら怖いな~と来た道をそのまま引き返した。

そういえば、道の途中ですれ違った地元の男性に『国道に出た方がいいんじゃないですか?』と声をかけられていたのだった。俺は『とりあえず、綺麗な海みたいですから~』なんて答えたりしていた。。。

来た道を引き返しながら、地元民のいう事は素直に聞くべきやったな~と、少し後悔。

国道58号に出て、北に向かって歩いていると、すぐに米軍基地が見えてきた。沖縄には、こんなに基地があるんだなとビックリした。入り口で記念撮影でもしようかなとも思ったが、少しビビって辞めた。

逆ヒッチハイクに成功。

そんなこんなで、しばらく国道を歩いて進み、路肩に止まっている車を通りこした時だった。

『プッ』とクラクションの音が聞こえたので、車の方へ近づいてみると、なんと車に乗せてくれるとの事だった!!

こちらからは、ヒッチハイクの合図も交渉も何もしていないのに、なんといきなりヒッチハイク成功である(爆)

俺は、いきなり車に乗って楽していいのかなと思いつつも、地元の人の事は聞いた方がいいし、これも何かの縁だと思って、思い切って乗せてもらうことにした。

話を聞くと、このオバちゃんところの息子さんがたまたま一昨日、バックパック背負って旅に出たらしくって、そんなことがあって同じような旅人を見かけ、ほっとけなくなって、つい声をかけてくれたらしい。

僕は『とりあえずビーチに行きたいっす』といって、近くのコンベンションビーチってとこに、連れて行ってもらった。

オバちゃんにお礼を言い、別れ際に観光マップのるるぶを1冊もらった。これも何かの縁と電話番号の交換をした。ありがと~オバちゃん!!

コンベンションビーチ

コンベンションビーチに着き、何する?って、やっぱ泳ぐっしょ!!

水着に着替えて、もちろん一人だけどお構いなく、泳いだ。とりあえず、端までいき、遊泳区間の端から端までぐるりと1周泳いだ。

泳ぎも終わり、さあどうしようかな?

このまま何もせずに、先へ進むのもなんだか面白くないなと思い、近くを散策。釣りをしている親子がいて、その親子はそこら辺にいるゾウリムシや貝などを捕まえて、それらを餌に釣りをしているようだった。

『そういうのいいっすね~』と俺。

釣りをしてる親子に出会う。

俺もフナムシを一匹捕まえてあげた。そして、二人の写真を撮らせてもらった。いい親子だな~。

よし、次に行こう。止まっている暇なんかないと、北上する。

途中ホームセンターで、花火や浮き輪、電池を買い、さらに北上する。(日記によると、花火を購入したらしいが、今となっては、謎)

ひたすら歩く男

ブルーハーツと書かれたテトラポット。

海岸線を歩いていて、見つけた景色で、お気に入りの写真。

テトラポットに描かれた落書きで、ブルーハーツのファーストアルバムのジャケット風なヤツ。大好きなブルーハーツと沖縄の海とのコラボレーションが、なんとも最高に美しかった。


獣道みたいな道を進む

この道を行けばどうなるものか、行けばわかるさ、迷わずいけよ。行くぞー!!

海沿いの道を進むと、時にこんな獣道みたいな道に突入することもあった(笑)

そんなこんなで海岸線沿いの道をひたすら歩いて北上する。腹が減っていたけど、沖縄っぽいものを食べたいなと思い、慎重に選んで進んでいたら、もう昼の12時を回っていた。ちょうどその頃に、コンベンそばと書かれたそば屋を見つけ、沖縄そばが350円だった。

よっしゃ、昼メシが食える。休める。

実は、すでに相当足にきていた。少しの区間は車に乗せてもらったけど、後は全部歩きのみだったから。

ここでは、沖縄そばを食べた。ここのお茶が冷たくて美味しかった。

そして、『ここら辺で、いい所ないですかね~』と店員さんに尋ねる。『海いいですよ~、北谷にはビーチや若者向けの所があっていいですよ~』と教えてくれた。このオバちゃんも、すごいいい人だった。

そばを食べた後、おにぎりを一つ買って、そこを後にした。

またさらに、先へ歩いて進む。やっとのことで、アラハビーチやサンセットビーチに着くが、海に入る所が全然ない。何じゃこりゃ。しかも、ここら辺で気づき始めたのだが、俺みたく一人旅してるような奴って、まったくいない。自分の予想じゃ、同じような旅人に出会えるかもという期待があったのだが。。。

そしてもう一つ気づいたのが、重いリュック(10キロは、ゆうにあると思う)を背負っての歩きは、そうとうキツイ事がわかってきた。キツイし、かなり疲れた。今日はもうここで野宿しようかなと思ったりもしながら、サンセットビーチで休んでいた。とにかく疲れていた。

ここでは、疲れていたせいか?人もあまりいなかったし、人工的なビーチというのもあってか?特別、何もすることはなかった。少し休んだ後、なぜか俺は『止まっている暇なんかねえ!!』と、暴走した。

だけどこれが、のちに失敗となり、かつ大きな成功にも繋がったのだと思う。

さらに、北へと歩いて向かった。ここからは、写真撮る気力もなく、ひたすら歩いた。

ヒッチハイクという手もあったが1日目はヒッチハイクなしで歩きで行ってやる。

という思いが強かったので、必死で歩いた。(最初の逆ヒッチハイクは、除く)

マジ辛かった。何回休んだことか。けど、諦めたら終わりや、何時になってもいいから、読谷村のニライビーチまで歩いていこうと決心した。絶対やってやると。

米軍基地の間を抜け、飛行機や戦闘機が近くを飛んでいくのを見ながら、進む。実際、戦闘機が近くを通ると『ゴオオー!!』とかなりウルサイ。10分、20分おきくらいに飛んでいた。

ある交差点で、ショートカットしようと曲がり先へと進む。もう少しで、目的地に着くんでないかなと必死で歩いていると、何か大きな通りに出た。

そしたら見覚えのある交差点で、さっきのショートカットしようと思って曲がった時の交差点だったのだ。

マジショック!!『うそぉ~ん!!』心の中で叫んだ。もう、どん底。

やっちまった~、1~2時間かけて必死に歩いてきたら、また同じ所へ逆戻り。とほほ。。。

俺の人生は、いつもそうだと思った。浪人したり、留年したり。同じことの繰り返し。

もう本当に何時でもいいや。行くしかないと半ば、やけになっていた。今度はショートカットせずに、確実な道を進んだ。

疲れ果てた先の飲食店で

定食屋のなみ食。

そんなこんなで、疲れ果てた先に入った定食屋が『なみ食』だった。

そこで、ゴーヤチャンプルーを頼んだ。

『大盛って、出来ますか?』と俺。

『えっ、できますよ~』と店員のお姉さん。

そして、しばらく待っているとゴーヤチャンプルーがきた。

ゴーヤチャンプルー大盛が届く。

これがメチャメチャ大盛でビックリした。ご飯は普通盛りくらいで、ゴーヤチャンプルーの方が、マジ特盛!!こんなに食えるかな?と思ったくらい。

チャンスを伺い、店員さんに『記念に料理の写真撮っていいですか?』と俺

『いいですよ~』と笑顔のお姉さん。

『大盛って、ホントに大盛なんですね~』と俺。

『いや~、特別サービスしました~』とお姉さんは、笑顔。

『俺、那覇から歩いてきたんですよ~』と俺。

『え~、凄いですね~。沖縄の人、いい人ですか~?』とお姉さん。

『いや~、いい人ですよ~』と俺。内心あなたが、メッチャいい人ですよと思った。

他には『ここら辺では、岬とかがいいですよ~』と教えてくれた。とにかく笑顔が素敵な人だった。

今日ここまで、歩いてきたかいがあった。こんな子が近くにいればな~と思った。

お姉さんにハートを射抜かれた僕は、何かここで爪痕を残したいと、いくつかの作戦を考えた。(今、日記を読み返してみるとかなり恥ずかしいが、若かりし頃の馬鹿野郎の冒険ということで、多目に、、、)

  • 1、記念に写真を撮らせてください作戦。
  • 2,花火やりましょう作戦
  • 3,アドレス交換作戦

色々考えたが、結局どれも試さずにお店を出てしまって、すごい後悔した。

何で何もやらずに、出てきてしまったんだろう。あそこは『やるっきゃないでしょ~』そこからは後悔しながら進んだ。そこで、リベンジ作戦を考えた。

明日もう一回行く?

もしくは、沖縄本島1周を終えてから、もう一回行く?うん、これにしよう。でも、あの時やるべきだったな。SHIT!!

この旅、これからはやり残しがないようにしたい。いやするっきゃない。やりたいことはやるしかない!!

そして、後悔しつつも先へと進んだ。

満月の夜の事

ニライビーチに着く前に、何やらポコポコと沖縄っぽい太鼓の音がどこからか聞こえてきた。音が聞こえてきた方を少し遠目ながら見に行ってみた。

そこで僕は、また迷っていた。行くのか?行かないのか?沖縄の人たちやぞ。沖縄の方言やぞ。

行くっきゃないっしょ。

そして、行ってみた。そしたら、『今日は、店閉まってるよ~』と言われ、僕は『少し見させてもらってもいいですか?』と聞くと『いいよ~』と歓迎してくれた。

そしたら、いきなり第一声が『格闘技やってない?』って聞かれて、僕はビックリした。いきなり見抜かれた。

『やってますよ~』と俺。

『その体つきみたらわかるよ~』と、お兄さん。俺そんなカラダしてんのかよと逆にビックリした。

僕も輪に入れてもらい、そこには幻想的な世界が広がっていた。満月の光で、人の輪の影が映り、太鼓やいろんな楽器の音色が奏でられていた。落ち着くというかリラックスというか、とても気持ちのいい空間だった。星も綺麗だし。

思い切って、ここに入ってみて良かったなと思った。女の子が急にかけっこしだしたり、カポエラ踊ったり、外国人が現れて踊りだしたり、素敵で不思議な世界を体験できたのだった。

そんなこんなで、そろそろ今日の目的地のビーチを目指すことにする。ニライビーチではないが、すぐ近くにビーチがある事を教えてもらい、そのビーチへと向かう。

ところが、ビーチへ降りる道の隣に教会?大きな十字架があって、ビビってしまい引き返し戻ってきてしまった。

さっきの人たちに確認すると、どうやらそこであっているらしく、再度そこを目指すことにした。

俺は、初の一人野宿テント泊に少し?かなりビビリながらも、砂浜にテントを張った。

中々眠れずに、また色々と考えていた。

しばらくすると、ビーチに人が現れ、さっきの人たちかなと近づくと全然違う人たちだった。テントに戻り、さっきまでは何か怖い感じがしてたけど、少しそれらも和らいできて、外で一人満月を満喫したりしてから、テントで床に就いたのであった。

1日目のまとめ

本日の移動・・・那覇市→読谷村

移動距離・・・40kmくらい(道を2回ほど間違えたので、実際に歩いた距離は40km以上)

ヒッチハイク・・・1台(向こうから声をかけてもらった逆ヒッチハイク)

一日目は、自分からヒッチハイクすることはせずに、ほぼほぼ歩きで40km近くを重たいバックパック背負って進み、超スーパー疲れた。1日目からこんなに疲れて、この先大丈夫なんだろうか?

今回の旅は、公共交通機関を一切使わずに、歩きとヒッチハイクのみで、沖縄本島を海岸線に時計回りに1周するというもの。宿泊も公共の施設を使わずに、テント泊しながら、周る予定だ。

特別どこを観光するという訳でもなく、朝起きたら、ただひたすら海岸線沿いに歩きとヒッチハイクで進めるだけ進んで、暗くなったら適当な所を見つけて、テント泊するという超シンプルな行き当たりばったりの旅。

まだまだ旅は始まったばかり。果たして、この先どうなることやら?

期待と不安でいっぱいだけど、まあなんとかなるやろ~。さすらいの馬鹿野郎の冒険旅は、まだまだ続く。

続きは、こちら⇒『沖縄本島1周ヒッチハイクの旅②~読谷村⇒恩納村、初めてのヒッチハイクに挑戦~